約 607,094 件
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1277.html
俺はいきなり叫び、右手の一指し指で四人目の奴に指した。 叫んだ事によってオフィシャルバトル室にエコーが掛かる。 …ちょっと恥ずかしい。 「お、お前はあの時の青年。久しぶりだな」 四人目の奴は軽く笑いながら俺に答えた。 四人目…七瀬 都。 俺より年上の23歳の女。 職業は本屋。 数回会った事があり、最近では朝に行った本屋の常連客となっている俺。 ある意味ちょっと特殊な女だ。 特に口調が。 理由は知らんが、何故男口調? まぁ、俺が口出し出来る範囲じゃないので何も言わない。 ツッコミ入れたい所だが。 ていうか。 「青年は止めろって。前に名前を教えたろうが、天薙ってな」 「まあまあ、いいじゃないか青年よ」 「だから!…もういい、指摘するのも疲れた。あっ!!それと何で店を休業にしちっまったんだよ!!!」 「私はここに用事があったからな。店に誰もいなきゃ休業にするは当たり前だろ」 「…それもそうだな。で、用事てーのは?」 「いやそれがな、うちの妹とその友達と私でVIS社のテストに参加する事になってるんだ」 「テスト…は!まさか、相手はお前かよ!?」 「すると、天薙が私の相手か」 「あ。名前で呼んだ」 正直、驚愕した。 まさか相手が知り合いになるとはな。 でもこいつは良い機会だ。 一度闘ってみたかったんだよな。 ん? ちょっと待てよ。 確か七瀬の神姫は二人だった筈。 でも俺の方は四人。 神姫の人数が合わないじゃん。 「あぁ~、それについては大丈夫だ。うちの妹が一人と妹の友達が一人。これでこちらの神姫も四人なる」 「ふぅ~ん。オーナーは参対壱か。まぁいいや。にしても都に妹がいるとは初耳だな。へぇ~結構可愛いじゃないか」 「そうか、そいつは嬉しい事を聞いた。でも、それとこれは言っとかないといけないな」 七瀬は俺に近づき小声。 「ハルナに手を出したら、その時は覚悟しろよ」 ちょっと目を細めて声のトーン低くして言った。 ほぉ~ん、中々妹想いの姉だこと。 それに妹の名前は『ハルナ』て、いうんだ。 「大丈夫だ。俺はガキには興味ないんでね」 「何!?お前はうちの妹の愛くるしさと魅力に気づかないのか!」 「…あのさ。お前は俺と妹をくっつけたいのか、くっつけてほしくないのかいったいどっちなんだよ」 正直解らん。 でも都の妹さんは可愛いと思う。 もしあれで中学生じゃなきゃ口説いてたな。 あ、でも、口説いたら都に何されるか解ったもんじゃないし、俺の神姫達も嫉妬で機嫌を損ねる可能性が。 「はいはい。いつまでチチクリあってるの。今から今回の運用テストの説明するからよ~く、聞いておくのよ」 姉貴の声でオフィシャルバトル室はシーンとなる。 つーかぁ、チチクリあってねーよ。 さっきの会話で何でそうなる。 「今回のこのテストで使用する筐体は次世代に近い筐体である。最高4VS4まで可能な武装神姫チームバトルが可能。これが完成すれば我が社の売れ行きが向上…ゲフン、ゲフン」 姉貴はワザとらしく咳き込む。 態々こういう行為をするのは姉貴らいしいと言えば姉貴らしい。 まるで漫画みたいだ。 「でも完成には程遠い。ぶっちゃけ、ここに集まった四人のオーナーが闘い、その闘ったデータを追加すれば完成の近道になるでしょう」 うわ~、ぶっちゃけちゃったよ、姉貴の奴。 こんなんでいいのか~? いや、良くないだろ。 「で、この筐体の説明に入るね。この筐体はバーチャルの世界で戦ってもらうわ。オーナーは筐体の中に自分の神姫達を入れ、後は戦闘が始まるまで待つだけ。ここら辺は大抵同じです。あ、そうそう。オーナーが神姫に助言するのは有効で無制限です。実際には神姫達が闘いますがそれはホログラムで作られて神姫です。神姫のデータを筐体が読み込み、筐体が神姫の映像を作り出す。それによって本体の神姫は闘っておらず、データ化した神姫が闘いあうという事です。ですから神姫の本体には傷一つもつかずに戦闘を行う事ができます。お分かり頂けましたか?」 「はい、質問」 「何?タッちゃん」 「姉貴の説明がヘタクソ過ぎて解りません」 「…タッちゃんの今月のバイト代金半額に決定」 「うわー!?!?謝る!謝るからそれは許してくれ!!」 冗談を言うじゃなかった。 ちょっと後悔。 「他に質問はありませんか?…ないようですね。それではバトルを行うのは今から20分後です。それまでオーナー達は個別の部屋に入って作戦を練り直しても結構です。それとタッちゃん!遅刻は厳禁ですよ!!」 そこで俺にふるかい。 まぁどうでもいいや。 「さて、と。20分後にまたな、都」 「あぁ、楽しみにしてる」 「あ、そうそう。俺がアンタの妹に手を出す気は無いが、他の男に手を出されるのは時間の問題じゃないのか」 「なっ!?おい、それは一体どいう意味だ!」 「そのままの意味さ、妹の方は何とも思わないで男の方が片思いてな感じかな」 「はぁ~?それよりも男って誰だよ!」 「…灯台下暗しって言うのはこの事だな。まぁ自力で見つけな」 チラッとハルナの方に目線を置く。 でもすぐに目線を都に戻し一瞥して俺は個別の部屋に入った。 …。 ……。 ………。 天薙チーム。 部屋に入ると、よく芸能人が楽屋にいる時みたいな部屋だった。 神姫センターって一体…。 いや深くは考えるのは予想。 さっそく煙草に火をつけ椅子に座る。 「ねぇご主人様」 「ん?何だ??」 「いつのまに都さんと仲良くなったんですか?」 「都とか?いつの間にか…かな。それがどうした?」 「いえ、ただご主人様が他の女と楽しく喋っている所を見ると、ちゃっと妬けちゃって」 「嫉妬か?可愛い奴だな、お前」 アンジェラスに微笑すると頬を桃色に変化していく。 照れてるのか? でも嫉妬っか。 神姫が人間に嫉妬…。 ちょっとイヤだな。 おっと、それよりもこいつ等に大事な事を言っておかなきゃな。 「でだ、これからお前等に重要な話がある」 「何でしょうか、ご主人様?」 俺は二つずつ付けてるネックレスを外し、ネックレスの中身を一人づつ俺の神姫達に渡す。 「アニキー、これはいったい何?」 「まぁそう急くなクリナーレ。アンジェラスから順に言うから」 『GRADIUS?』 系統:大光銃剣? 重量:5 攻撃:0~900? 命中/HIT数:0/1 射程:0~∞? 必要:- 準備:0? 硬直:0? スタン:0~? ダウン:0~? スキル:- 神姫侵食度:100 備考:通常攻撃は近距離の場合は斬りつけ、遠距離は剣の先から螺旋模様線状レーザーのCYCLONE LASERを撃つ事ができる。 試作なので弱い。 『OPTION?』 系統:オプション? 重量:0? 防御:0? 対ダウン:0~∞? 対スタン:0~∞? 索敵:0~500 回避:∞? 機動:∞? 攻撃:0~900? 命中:0~900? 必要:- スキル:- 神姫侵食度:100 備考:通常攻撃は神姫と同じ攻撃をする。 ラグビーボールみたいな形状で赤く光っていて数は四個。 装備している神姫の周りをクルクルと回ったり編隊したりする。 試作なので弱い。 「次はクリナーレ」 『ネメシス?』 系統:重力剣? 重量:15 攻撃:1500 命中/HIT数:-100/4 射程:使用者の有視界 必要:- 準備:200 硬直:100 スタン:300 ダウン:300 スキル:- 神姫侵食度:150 備考:通常攻撃はGRAVITYが敵に接触した時にその場で重力空間を発生させ、その重力空間は爆発する。 人間の目から見て殴った瞬間に爆発するように見える。 中距離は二次元の球を作りだしその穴に向かって銃類の武器で攻撃、その攻撃は敵を中心にして間合い半径1メートルから20メートルの間で360度ランダムで撃った攻撃が敵に向かっていく、GRAVITY HOLEというものがある。 試作なので弱い。 「これはルーナ」 『沙羅曼蛇?』 系統:火炎灼剣? 重量:2 攻撃:800 命中/HIT数:100/10 射程:0~300 必要:- 準備:10 硬直:10 スタン:300 ダウン:0 スキル:- 神姫侵食度:120 備考:通常攻撃はある程度相手距離を保ちつつ、隙あらば一気に敵の懐に飛び込み近接攻撃する。 試作なので弱い。 「最後はパルカだ」 『ライフフォース?』 系統:光闇弓剣? 重量:8 攻撃:900 命中/HIT数:1000/2 射程:150~500 必要:- 準備:350 硬直:10 スタン:500 ダウン:50 スキル:- 神姫侵食度:150 備考:通常攻撃は普通にノーマルな弓で攻撃。 もしくは敵に近づいて攻撃。 試作なので弱い。 「説明は以上。違法改造武器だから使用するときに違和感を感じる筈だ。しかも、試作型でまだ正確な性能も解っていない。くれぐれも油断はするな。メイン武器はこれで決まり。後の武装はノーマルでいくぞ」 説明を一気に言い終えて。 ふぅ~喋り疲れた。 神姫達に説明していたおかげで最初に吸った煙草がもうなくなっていた。 『もったいないなぁ』と思いながら新しい煙草に火をつけ、ひと段落するのは心地良かった。 「ねぇねぇダーリン。この武器ってダーリンが作ったの?」 「んあ?あぁそうだ。お前等専用の武器だ」 「ボク等の専用武器!?ヤッター、嬉しいなぁー!」 「あ、姉さん!そんなに振りましては危ないですよ!!」 …やっぱり違法改造武器は止めた方がいいかもしれない。 いくら試作型でもそれなりの攻撃力はある。 真にあの武器を使ったら相手を破壊する攻撃力が出てしまう。 でも幸いな事に今回はバーチャルだ。 本体の神姫に攻撃する訳でもないので破壊は免れる。 なんだかあいつ等に罪悪感を感じるなぁ。 まぁこれも勝負だ。 やるからには本気でいくしかない! 一方、七瀬&八谷チーム
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/716.html
春の風にしてはやや肌寒い感じが残る鳳凰カップ初日 雲ひとつない日本晴れがまさにイベント日和といった感じだろうか 予選開始時間は十時 初日である今日の予定はバトルカップ予選とブース出店 ちなみにバトルカップの解説は決勝リーグからとなっている だから今日の俺にはあまりやることがないのだ 本来イベントの始めにおこなわれる開会式は軽く開会宣言のみで、主催者挨拶なんかは決勝リーグ前におこなわれるらしい 御袋曰く「運動会前の校長先生のお話ほどやる気が無くなるものはないからねぇ~」とのこと 俺はその判断に激しく同意していた 「グッジョブ、御袋…」 そう頷く俺の両隣には 「うっわぁ~スッゴイ人の数~」 「こんなに大掛かりなイベントだったのか?」 と人間大のマオチャオとアーンヴァル 言わずもがな、神姫のコスプレをしているインターフェイス使用中のミコとユーナである ………やっぱり神姫なのに神姫のコスプレするのってなんかおかしいよなぁ いや、俺がさせてるんじゃないよ?よいこのみんなならば犯人が誰だか解ってくれるよな? そう、犯人は勿論今回の祭りの主催者にして俺の宿敵… 「ふおっほっほ、やはり似合っとるぞ美子ちゃん、優奈ちゃん!」 うちのクソジジイさ 「兼じぃだ~」 「でたなジジイ」 「くたばれジジイ」 「登場して間もないのに凄いブーイングじゃな…」 美子、優奈、俺の三段コンボは老人の心を少し傷つけた 「当たり前だ。なんたってこいつらにこんなかっこさせにゃならんのだ」 いくら神姫のイベント会場にいたとしてもこいつら二人の格好はかなり目立つ それとともに俺も一緒となると吊るし上げをくらったようなもんだ 正直周りの目線がキツイ オイコラ、勝手に写メを撮るな 「祭りには可憐な華が必要じゃろ。二人には祭りの盛り上げ役として力を貸してもらいたくてのぅ」 可憐な華? こいつ等が? うん、それじゃあよいこのみんなもお兄さんと一緒にジジイに並んで二人の姿を観察してみよう!! 俺は前にも見たことはあるんだが、この際上から下までジックリと観察してみることにする うちの三人の中では一番小柄な美子 控えめな胸、細身の体、そしてくりくりとした目のはちょっと危ないロリ属性 「にゃ……お、お兄ちゃん…」 すらっと伸びた両足、結構ボリームのある胸、オレンジ交じりの髪から覗く首筋、赤くなった頬に少しつり目のツンデレ属性、優奈 「あ、アニキ…目が……えろいぞ…」 というか二人ともモジモジと身悶えするんじゃない お前らのほうがよっぽどえろいからさっきよりも周りの視線が集まってるじゃないか 「後は毎朝優しく起こしてくれる幼馴染ぐらいは欲しいのぅ」 ボソッと老人らしからぬ発言 まぁこれは今に始まったことじゃないんだがな… 「老人の朝は早いから起こしに来るのは無理なんじゃねぇの?」 しかし、うちで朝起こしてくれる幼馴染キャラといえば俺の左肩に座っている奴が最も近かろう 「御爺様、私はよろしいのですか?」 一人だけ神姫素体のノアである 三人の中じゃ最も俺との付き合いは長いし、お互いのことも相当理解してる 朝起こしに来てくれるのもノアだしな もっとも、俺の中じゃ炊事に洗濯、掃除に買い物、何でも来いのクールな万能メイドさんのイメージが濃いのでそれもどうかと思ったりするのだが… 「ノアちゃんはいいんじゃよ。明人がこのイベントに参加するんじゃ。神姫を一人も連れとらん明人なんぞに価値はありゃせんわい!」 物凄く酷い言われようだがもっともなので言い返しはしない こちらとしても武装神姫のイベントに神姫も連れず、代わりに神姫のコスプレしている女の子を三人も連れて歩くウザイ野郎になることは御免こうむりたいのだ 「ノアちゃんは一番顔が知れとるからの。それにほら」 ジジイがノアにパンフレットを指差してみせる 俺たちは四人ともジジイの指差すパンフレットの位置を覗き込んだ そこはブース案内の國崎技研の紹介箇所 「國崎技研……ああ、ミラコロを共同開発してるとか言ってたな」 「そうじゃ。しかしあれからさらなる機能が追加されたんじゃ。國崎にできる若造がおっての…と、今言いたいのはそこじゃないんじゃ。内容を読んでみい」 ジジイに言われるがままもう一度パンフレットに目を落とす 「ヘンデル及びグレーテルのデモ、体験。グレーテルを使ったお菓子作りコンテスト。優勝商品はグレーテル通常版……お菓子作りコンテスト?」 「うむ、そこの『グレーテル』とは神姫用のシステムキッチンのことじゃ。なかなか小粋な宣伝をしよるわ。ふぉっほっほ」 神姫用のシステムキッチンねぇ… あいにくうちの神姫は普通のキッチンで毎日俺にメシ作ってるからなぁ… っておい、まさか…… 「ジジイ…コレにノアを出させようとか思ってんだろ?」 「薦めてみようと思っとるだけじゃ。無理にとは言わん」 なんだ…良かった ノアが出たら反則気味に有利になっちまうからなぁ 「無理に言わんでも結果はでとるからのぅ…」 「は? 何か言った…」 そこまで口にすると左肩から物凄い気配を感じる 悪い予感が渦巻く中、そぉっと視線を左に移すと… 「お菓子作りですか……ふふふふふ、腕が鳴ります」 地獄の番犬様が両目を閉じて微笑んでいらっしゃいました 燃えてらっしゃいます 橘家の台所番長様が闘志を燃やしてらっしゃいます 橘さんちの番犬さん、お菓子作りコンテスト参加決定… それから少しの間ブースを回る 大手企業各社に噂のアマチュア『F-Face』と三屋八方堂 凄い人の波でそれだけ回るとかなりの時間が経っていた バトルカップ午前の部が終了したことを知らせるアナウンスを聞き、俺たちは足を止める 「もうこんな時間か…」 「ひとまずアルティさんたちと合流しますか?」 「そうするか…」 携帯を取り出すと葉月からのメールが一件入っていた ブース、喫茶店LENに集合!(*^▽^*) 簡潔に記された用件と最後に顔文字… 「コレはあれだな。嬉しいけど内容は直接話したくてとり合えず早くメールしてしまえと……」 「よくわかるなアニキ…」 「まぁ一応あいつの兄貴だしな。とり合えず今のところ全員勝ってるみたいだ」 パンフレットを持っているノアのナビを頼りに待ち合わせのブースに向かおうとして思いとどまる 「おっと、おまえら…そのままだったらまずいな…」 「あ、葉月んがいるんだもんね~」 ノアのインターフェイス時は紹介してあるから問題ないのだがこの二人はまだだったりする というか説明するのがめんどくさい 「じゃあ鳳条院のブースまで戻るか?」 ミコとユーナのために鳳条院の企業ブース兼、総合本部の裏にロケバスを用意してもらっている そこで神姫素体とインターフェイスの交換を自由にできるようにとのジジイからの処置だ しかし、そこまで戻るのか…面倒だが仕方がない 少し遅れるとメールを早打ちすると若干早歩き気味で本部へと歩き出した 「兄さん遅いよ~」 予選も休憩時間となり、出場者や予選観戦客もブースの方へと移って来たので人の波も混雑して約束のブースまで15分もかかっちまった オープンカフェになっている喫茶店LENはランチタイムともあって大盛況の様子だ 「わりぃ、ちょっとあってな」 俺用に用意していてくれたのか、葉月とアルの間に空いている席に座る 「こっちにいたならそんなにかからないでしょ?」 一度本部に帰ったとも言えず、誤魔化すようにウェイトレスの男性を呼んで注文する ノアとミコはチキンサンド、俺とユーナはカツサンドのコーヒーセットだ 「で、調子は?」 俺の一言に全員がニヤリとする こりゃ聞くまでもねぇみたいだな 「無論、勝っている。私達はAグループで三戦三勝だ」 「予選は何試合だったけ」 「全四試合、それに勝ち抜けば決勝リーグにいける」 なるほど、アルとミュリエルは決勝リーグまで王手をかけているわけか… 「俺達はJグループで二勝中だ」 「私達も同じく二勝。グループはMで、次が三戦目です」 「私達はアルティさんと一緒で試合がスムーズに進んだから次で最後だよ。あ、グループはBね」 とり合えずグループは分かれたみたいだな 決勝リーグまで同士討ちということはなさそうなので一安心か 運ばれてきた昼食は物凄く美味かった ちらっと特設カウンターの方を見るとここのマスターであろう女性が黒葉の学生となにやら話しながらコーヒーを淹れている うをぅ…なかなかの美人だぞ 昴が気に入るわけだこりゃ… とぼんやり考えながらマスターを見ていた俺の両太股が葉月とアルに抓られた その後、食事を終えてから皆と別れる アル達は午後の予選開始までにはまだ幾分か時間に余裕があるらしく、予選会場に近い大手企業の方を見て回る言っていた 一緒に来いと誘われたのだが、さっきまで回っていたのでさすがにお断りしておくことにした それから俺たちは律儀にも再び本部まで戻り、ロケバスでミコとユーナを再びインターフェイスに変えてから一般参加ブースを見て回るために表通りに出たところで営業二課の渡辺さんを見つけた 「渡辺さん」 挨拶しておこうと見慣れた後姿に声をかける 「あぁ若、丁度よいところに」 振り向いた渡辺さんは少しホッとした様子 「ん? 何か俺に用事?」 「はい。ですが私ではなく…」 「久しいなアキヒト」 渡辺さんの後ろから俺の名前が呼ばれる 後ろを覗き込むと不敵な笑顔の少女が一人 「観奈ちゃん」 「フッ、挨拶に来てやったぞ」 國崎技研の社長、 國崎 悠人氏の愛娘にしてランキング72位のファーストランカー、國崎 観奈ちゃんである 「久しぶりなのだノアール」 「ミチルさん…」 彼女の頭の上にはパートナーである『白い翼の悪魔』、ミチルちゃんが乗っている 「久しぶりだな。たしかアメリカに行ってたんだって?」 「うむ、NY大会が目的だったのじゃ。なかなかの猛者ぞろいで楽しかったぞ」 楽しかったか…相変わらずカッコいい性格してるなぁ… 「優勝したんだろ? 大したもんじゃないか」 「む…ただ心残りがあっての」 心残りってか? 「むこうで戦ってみたい者がおったのじゃが、奴はもうアメリカにはいなくての…」 ほう、観奈ちゃんに注目される相手か… 「気になるな。誰なんだ?」 「アキヒトも多分知っておるじゃろ。アルティ・フォレストじゃ」 「……………」 「どうした?知らなかったのか、この大会にもエントリーしとるはずじゃぞ」 「ミュリエルとのバトルが楽しみなのだ」 知ってるよ よーく知ってるよ あ~んなとこやこ~んなとこまで知ってるよ… まぁ、いたいけな少女相手にそんなこと言える訳でもないけどさ 「わらわ達はCグループじゃからの。上手くいけば奴とは決勝リーグの二回戦で当たるというわけじゃ」 腕が鳴るのうと気合満々の観奈ちゃん 「…明人さん…お久し…ぶりです」 「うわぁ!!」 いままで気づかなかったが観奈ちゃんの後ろに一人の女子高生が立っていた 「…すいません…驚かせて…しまったようで…」 「あ…あぁ、いえ、こちらこそすいません」 さっきからいたのに気づかなかった俺のほうが悪いと思うんだが彼女は丁寧に頭を下げてくれた 「えぇ~と………どちらさまでしたっけ?」 その上俺はこの人のことを憶えてないのだ 俺って無礼者? 「…憶えて…いないのも…無理は…ありません…およそ…七年ぶり…ですから…ね」 七年ぶり…ん? この独特の話のテンポは… 「もしかして…斗小野会長のお孫さんですか?」 「…はい…斗小野 水那岐…です…」 驚いた 何にって…彼女の容姿は七年前の社交界で会った時とそっくりそのままだったのだ え~と、確か俺より二つぐらい上だったように記憶していたんだが… 「…ほんと…お久しぶりです…とは言っても…明人さんの…活躍は…いつも…メディアで…拝見…させて…もらって…いますけど…」 「あぁ、それは恐縮です…えと、水那岐さんも武装神姫、始められたんですか?」 彼女の両肩にはジルダリアとジュビジーが 「…ええ…まだ…始めた…ばかりですが…二人とも…挨拶…」 「やっほー。私は火蒔里。ひじりんって呼んでね♡」 「花乃ともうします。明人さんにノアールさんですね。お二人のことは存じております。御会いできて光栄です」 眩しい笑顔で手を振るひじりんと礼儀正しくお辞儀をする花乃ちゃん 「そりゃどうも。もしかして二人も大会に出るんですか?」 「…ひじりんは…アクシデントで…出れなく…なりましたけど…花乃が…頑張って…くれて…います」 「それじゃあ今のところ…」 「…ええ…次は…Iグループの…三回戦です」 ルーキーなのに大したものだ こう見えて水那岐さん、センスあるのかもな… 「それよりもノアールだけでミコとユーナの姿が見えんが…」 いつのまにか美子にだきしめられている観奈ちゃん 「あ、あいつらは…」 アナタを思いっきり抱きしめてますよ~とも言えないよなぁ… つぅかお前は何やってるんだよ美子!! (だって可愛いんだもぉ~ん♡) 目線で返事をするな 「二人は御爺様のお手伝い中ですよ」 ノアのナイスフォロー 確かに嘘は言ってねぇよな… 「ふむ、だからアキヒトはこんな美少女を二人もたぶらかしていたと…」 ジト目になる観奈ちゃん いや、誤解だってば たぶらかしてねえし、噂のお二人はここにいますってばよ 「まぁ、わらわが言うのもおかしな話だがな…」 と、微笑交じりの最後の言葉がひっかかったが… 「それで、解説者様がこんなところで何をしているのじゃ?」 「解説は決勝リーグからだからな。今日はこれからおたくのブースでお菓子でも作りに行こうかと」 「なに、まことかっ!? それならば共に来るがよい。わらわも恋人に会いに行くところじゃ」 「恋人?」 おませさんですね、最近の小学生は… 「うむ。おぬしに劣らず男前じゃ!」 いや、観奈ちゃんの恋人だろ? 小学生か、少し年上でも中学生くらいだよな… それと比較さてれも複雑な気分だぞ 「ほら、行くぞ!!」 観奈ちゃんに背中を押され、俺たちは國崎技研のブースへと向かったのだった 追記 鳳凰杯、警備隊本部 「いまのところイベント進行は順調なようだねミス・桜」 「フェレンツェさん。えぇ、なんとか予定通りに進んでいます」 「そうか、それは何よりだよ。私はお祭りが大好きでね」 「あなたの周りはいつもお祭りのようですけどね」 「ハハハ、確かに」 「娘さんとご一緒しないんですか?」 「なに、急がなくても祭りは逃げやしないよ。私は責任があるのでね。万が一の事態に備え様子を見に来たんだよ…」 「インターフェイスですか…大変ですね」 「なに、理解ある協力者達が助けてくれている。私は幸せ者だよ」 「そうですか。なら、私もその協力者としてここの警備指揮はまかせていただきます。どうぞ祭りをお楽しみ下さい」 「…ホントに私は幸せ者のようだな。ここはお言葉に甘えるとしよう。古き友や知人がブースを出しているものでね。娘と挨拶に行ってくるよ」 「そうですか。では楽しんでいらしてください」 「君もよい祭りを…ミス・桜」 続く メインページへ このページの訪問者 -
https://w.atwiki.jp/battleconductor/pages/95.html
デザイナー 声優 神姫解説 性格セリフ一覧 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 覚えるパッシブスキル一覧 神姫固有武器補正 神姫考察 総評・運用 神姫攻略法 お迎え方 アップデート履歴 コメント デザイナー nuno(コナミ社内デザイナー) 声優 福井裕佳梨(トップをねらえ!2:ノノ、天元突破グレンラガン:ニア・テッペリン、ルーンファクトリー3:シア 他) 神姫解説 神姫バトルの黎明期に開発された、忍者をモチーフとした神姫。武装は忍び装束をベースにした柔らかなシルエットを描き出すデザインで統一され、和のイメージを色濃く描き出している。バトルスタイルも至近距離で会心の一撃を決めていく隠密タイプの戦法を得意としている。AIは寡黙かつ従順な性格付けで、主君に忠誠を誓う忍者のごとくマスターに付き従う傾向が強い。 名称:忍者型MMSフブキ(MMS Type Ninja FUBUKI) メーカー 素体:Group K2 武装:Group K2 型番:GK06N2 フィギュア発売:2008年12月26日 主な武装:忍者鎌"散梅"(文字通りの鎌だが、バトマスの分類上は小剣になっている。バトコンでは片手斬撃) 忍者刀"風花"(読みは「かざはな」。バトコンでは片手斬撃) 飛苦無"蓮華草"(読みは「れんげそう」。飛苦無(とびくない)とは、投げナイフのことと考えれば良い。なぜわざわざ「飛」とつけているのかといえば、苦無は手裏剣ではないため本来は投げないからである)。だがバトコンでは初の投擲武器として実装された。) 大手裏剣"白詰草"(読みは「しろつめくさ」。クローバーのこと。バトコンでは投擲武器。) 別名「フブキさん」「忍者子」「忍子」「フブッホ」。 元々は「バトルロンド」の初回ログイン特典キャラクターだったが、ファンからの要望により「注文数4000で商品化が決定される」というイベントが開催され、結果コナミスタイル専売にて商品化されたという経緯を持つ。 ちなみに後年のバトマスにおいても「ゲームでの登場が先でフィギュア発売が後になる神姫」はいたが、ゲーム登場時点でフィギュア発売の予定が全く存在しなかったのは本機くらいである…。 その関係からか、登場自体は神姫NETのサービスであるジオラマスタジオと同時(初登場が2006年の神姫NETジャーナルで、マオチャオ達第2弾の発売よりも前)と言えるほど古いにもかかわらず、フィギュアとして発売されたのはその2年以上後(2008年12月)という長い間があった。 それだけにリアル世界でも根強いファンが多く、中にはガレージキットの専用武装や、果てはチタン製素体ボディまで創ってしまった剛の者すらいるという。 ちなみに愛称のうち「フブッホ」とは、漫画「武装神姫2036」でフブキ初登場時の自己紹介時に転んで雪に顔を突っ込んでしまい、その時の悲鳴?をマオチャオハウリンやら周りにネタにされたのが由来。 無印版の早期予約特典として「忍襟布”陽炎”」が付属。 無印版の腰帯は腰の固定がややきつく破損報告が相次いだため、その後の再生産版「黒き翼Ver.(2009年12月18日)」では、一部塗装などの仕様変更と共に修正されている。 黒き翼Ver.とほぼ同時に発売されたリペイントモデル・ミズキの他、FRONT LINE社の協力で後継機として開発されたフブキ弐型およびリペイントモデルのミズキ弐型が存在する。共にコナミ内製の武装神姫最後の新作であったが、何故かnuno氏ではなく島田フミカネ氏によるデザインとなっており、発表当時は少なからず物議を醸した。 余談ながらこのフブキ/ミズキ弐型の発売(2012年2月23日)から約1ヶ月後、アーンヴァルMk.2テンペスタ/ストラーフMk.2ラヴィーナの両フルアームズパッケージの発売(同年3月15日)をもって、コナミ内製の武装神姫フィギュアはひとまず展開終了となった。 立体としての武装神姫の“復活”は7年後、模型メーカー・コトブキヤによるエーデルワイスの登場を待たなくてはならない。 展開初期以来の人気神姫だけに、公式媒体にもかなりの確率で出演(カメオ及び装備だけの登場も含む。完全に出ていないのはノベライズ版「神宮司シリーズ」くらいか)。 アニメ版においても、セミレギュラー「フキ」として声つきで出演している。 ちなみに後継機のはずの弐型たちはといえば、その登場時期があまりにも遅過ぎた(当時既にバトルロンドはサービス終了している)せいで、ほとんど出番がない様子。バトコンでの救済が期待されるところである。 性格 命令に対しては常に従順、かつ寡黙で必要以上のことをしゃべろうとしない。 最初は他人行儀な物言いだが、Loveが上がるにつれて感情を表に出すようになっていく マオチャオ型を前に「可愛いにゃー…」と口走ってしまったり、台詞を途中で噛んでしまったり、バトル中に「ニンニン…」と呟くなどの一面も。 セリフ一覧 + 白神流忍術の名にかけて! ログイン時 通常(朝) おはようございます。朝からお顔を拝見出来て幸せです。では、何をしましょうか? おはようございます。朝早くから私と過ごしていただいて、嬉しく思います。今日も1日、頑張ります。 通常(昼) こんにちは。ご用がありましたら、何でも言って下さい。では、よろしくお願いします。 こんにちは。…あ、あの、その、…いえ、何でもありません。気にしないで下さい。 通常(夕) こんにちは。お腹は空いてませんか?おやつを出せる忍法を習得中ですので、もう少々お待ち下さい。 こんにちは。そろそろ日が暮れそうですね。明るいうちに出来る修行で、更なる鍛錬に励みましょう。 通常(夜) こんばんは。日も暮れて参りましたが、バトルの火は消えません。張り切って参ります! こんばんは。私は忍者ですので、暗闇での任務はお任せ下さい。では、命令をどうぞ。 通常(深夜) こんばんは。夜遅くまで鍛錬なさるとは、頭が下がります。私も、戦績に泥を塗らぬよう努めて参りますので。 こんばんは。夜遅くまで修行とは、流石です。私も、白神流忍術でバトルを盛り上げて参りますからね。 年始 あけましておめでとうございます。(プレイヤー名)の抱負が達成されるよう私も陰ながら応援させていただきますので…! (ボイス) あけましておめでとうございます。こうしてまた、一緒に新年を迎えられて、嬉しいです。未熟者ではありますが、本年も、宜しくお願いします。 バレンタイン あの…こちら…よろしければお受け取り下さい。大好きな方に、チョコなるものをお渡しすれば、願いがかなうと聞きましたので。 ホワイトデー このプレゼントは…あ、先日のバレンタインの、お返しなのですね。私なんかにいただけるなんて、思ってなかったので、とっても幸せです! エイプリルフール ゴールデンウィーク 夏季 暑くなって来ましたね。しかし、『心頭を滅却すれば火もまた涼し』といいます。私もお供しますので、一緒に耐え忍びましょう。 水着キャンペ ただいま期間限定イベント開催中です。特別に水着を着て戦うようですが…は、恥ずかしいので、私はドロンします! 七夕 ハロウィン お気をつけ下さい、何だか街中物の怪で溢れかえっております。え、ハロウィン?そいつが悪の親玉なのですね 冬季 寒くなって来ましたね。しかし、私達忍者は、堅忍不抜の精神で、厳しい冬も修行をおこなっているのです。良ければ、ご一緒にどうですか? クリスマス クリスマスには毎年子供たちのためにプレゼントを配るサンタという赤い忍者がいるそうです。なんでも一度も配る姿を見られたことがないとか…。その極意、私にも教えてほしいものです…! (ボイス) め、メリー…クリスマス!この言葉を、大切な方にお伝えすれば、特別な一日を、一緒に過ごす事が出来る。とか…私と、二人っきりで過ごしていただけないでしょうか。 神姫の発売日 オーナーの誕生日 お誕生日おめでとうございます。わたしなんかが言うのもおこがましいですが…良い1年になることを、お祈りしております。 神姫ハウス 命名時 呼び方変更 (→決定後) レベルアップ後 MVP獲得 3連勝後 親密度Lv5後 親密度Lv10後 親密度Lv20後 親密度Lv30後 親密度Lv40後 親密度Lv50後 親密度Lv60後 親密度Lv70後 親密度Lv80後 親密度Lv90後 親密度Lv100後 頭タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 胸タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 尻タッチ(親密度0~19) (親密度20~39) (親密度40~59) (親密度60~79) (親密度80~) 通常会話 武装カスタム 戦闘力Up時 戦闘力Down時 武器LvUP時 素体カスタム 親密度LvUp時 限界突破時 出撃時 入れ替え バトル開始時 貴方達に恨みはありません。私はただ、任務を遂行するのみ → バトル中 撃破時 コンテナ入手時 被弾時 オーバーヒート時 スキル発動時 (能力強化系) (HP回復系) (デバフ系) (攻撃スキル) チャーミークリアボイス まいります。白神流 忍術 魅惑の 舞です ニン ニン! 被撃破時 次出撃時 サイドモニター 応援時 交代時 被撃破時 バトル終了時 1位 → 2位 → 3位 → 4位 → コンテナ獲得時 1位 2位以下 LvUP時 神姫親密度 マスターレベル 神姫ショップお迎え時 はじめまして。私なんかでがっかりしていないでしょうか。ご期待に沿えるよう、頑張ります。 はじめまして。これから、命を懸けてお仕えさせていただきます。今後とも、よろしくお願いします。 ゲームオーバー時 バトル、お疲れ様でした。次の任務もまた、私にご命令をいただけると嬉しいです。それでは、次の出陣命令、お待ちしています。 その他 カラフルコンダクト 超忍法 白神流の名にかけて 完璧に 仕事を果たしますよ 密やかに 思いを抱いてます + リセット開始 神姫の想い、大切に。 + 選択した神姫をリセットします。よろしいですか? リセット開始 え…リセットですか?すみません、私の聞き間違いだと良いのですが…もう一度仰って頂けますか? はい を押す っ!そうですか。無礼を承知で言わせて下さい。考え直しては頂けませんか?修行してもっと強くなりますから。離れたくないんです!あたし… はい を押す(二回目) そうですか…そこまで意志が固いのであれば、仕方ありません。未熟なあたしが全て悪いのですから…今までお世話になりましたっ!ではお達者で…! リセット完了 はじめまして。これから、命を懸けてお仕えさせていただきます。今後とも、よろしくお願いします。 リセット取消 止めて頂けるのですか?御慈悲を頂き、有り難うございます。失望されないように今後も精進していきます! 親密度○時イベントのオーナーの呼び方 マスター・お屋形様・お兄様 神姫ハウス内コミュニケーション ステータス情報 親密度Lv1 ATK DEF SPD LP BST N 30 35 100 350 150 R 35 40 110 400 200 SR 40 45 120 450 250 UR 45 50 130 500 300 親密度Lv100 ATK DEF SPD LP BST N - - - - - R - - - - - SR - - - - - UR - - - - - マスクステータス 1/s ジェム回収展開速度 ブースト回復量 ダッシュ速度 ダッシュ時ブースト消費量 ジャンプ時ブースト消費量 対空時ブースト消費量 防御時ブースト消費量 N 1640 160 1230 95 60 20 120 R 1320 115 80 40 130 SR 1410 135 100 60 150 UR 1500 155 120 80 170 覚えるパッシブスキル一覧 忍びの技術【フブキ専用】ダッシュスピードと弾速アップ 早熟型のパターンで覚えるパッシブスキル よろけ軽減[小]よろけの行動不能時間が短くなる 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ 防御力アップ[小]防御力を上げる スピードアップ[小]移動する際のスピードを上げる 攻撃スピードアップ[小] *要限界突破(L110)攻撃時のスピードが上がる ため時間減少[中] *要限界突破(L120)ため時間を減少する 通常型のパターンで覚えるパッシブスキル 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる 遠距離攻撃追加ダメージ[小]遠距離武器の攻撃にダメージを追加 ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ よろけ軽減[小]よろけの行動不能時間が短くなる 体力最大値アップ[小]体力の最大値を上げる 防御力アップ[小] *要限界突破(L110)防御力を上げる 攻撃力アップ[中] *要限界突破(L120)攻撃力を上げる 晩成型のパターンで覚えるパッシブスキル 攻撃力アップ[小]攻撃力を上げる 攻撃スピードアップ[小]攻撃時のスピードが上がる 射程増加[小]攻撃距離が伸びる ブーストアップ[小]ブースト時の移動スピードアップ ため威力増加[中]タメ攻撃の威力を上げる ため時間減少[小] *要限界突破(L110)ため時間を減少する ダッシュブースト消費量減少[中] *要限界突破(L120)ダッシュする際のブースト消費を減少する 神姫固有武器補正 ※レアリティが上がる毎に得意武器は-5%、苦手武器は+5%される。数字はレア度Nのもの。 得意武器 +30% 片手斬撃武器・投擲 苦手武器 -30% 双斬撃武器・両手斬撃武器・格闘打撃武器・双頭刃斬撃武器・片手ライトガン・腰持ちヘビーガン・肩持ちヘビーガン -70% 下持ちヘビーガン 神姫考察 攻撃力 神姫自体のATK値は低く、パッシブスキルの補助込みでもかなり低い。得意武器の片手斬撃武器でATK値を増やせるが、当てにくいのが難点。唯一の遠距離武器である投擲は当てやすいがATK値と射程が難点。総じて攻撃面は低め。 防御力 神姫自体のDFE値は低く、パッシブスキルの補助込みでもかなり低い。当たらない立ち回りを。 機動力 神姫自体のダッシュスピードがかなり速く、ラプティアスと同速で全神姫中最速。しかも実質常時発動の専用スキルでさらにダッシュスピードが約10%上がるため、全域フル稼働のラプティアスに次ぐ速さとなる。 各種ブースト消費が大きめだが、この速さを考えたらお釣りが出るレベル。 総評・運用 速い。以上。 本当にそれしかなく、火力はないわ脆いわでフブキらしいと言えばそうだが…。 専用スキルはダッシュスピード約15%アップ、弾速約20%?アップ。 一撃離脱もがん逃げも圧倒的スピードで難なくこなせるが、一回のミス(被弾)が致命傷になりやすい。 忍者らしく基本は隠密重視で立ち回り、ここぞという場面(LPが少ない神姫に止めを刺す等)で強襲。すぐさま離脱の一撃離脱を常に心がけたい。ちょっとでも欲張るとカウンターで痛い目に遭うので、仕掛けるのに失敗しても直ぐに離脱しよう。 機動力があるので一人に追われても難なく凌げるが、流石に複数人に追われると逃げ場所が無くなってあっけなく撃破されてしまいやすい。 順位や立ち回りには細心の注意を。 慣れないと思ったら機動力は落ちるが近接武器メインならアルト姉妹を、遠距離武器メインならアークも検討しよう。 神姫攻略法 機動力だけは本当に高い。逃げに徹せられるとタイマンで追える神姫は一握りに限られているので、全員で狙う状況を作らないといけない。 逆に攻め続けないといけない状況には弱いので、相打ち覚悟で両手斬撃や双頭刃などのよりダメージが高い武器を当てられればたいていはこちらのが有利になる。純粋な殴り合いにも弱いのは向こうも承知かつ避けたいので、攻めて来る頻度が落ちるのも利点。 お迎え方 2021/10/8~から神姫ショップに登場 アップデート履歴 2021/11/15 10 00~ 黒き翼Ver.の武装(「極意之巻物」「面隠し"闇狐" + 極意之巻物」「忍装束"紫苑" + 忍襟布"陽炎"」「忍者摺"紫蘭" + 黒き翼」「忍者摺"紫蘭" + コンしっぽ + 黒き翼」)追加 コメント コメント失礼します フブキさんお迎えまで...毎回五連回して35連目にして初Rでお迎え その後追加80連目にしてようやくURでお迎え出来ました -- AKA (2021-10-16 23 10 50) カラフルコンダクト 訂正依頼 一番上のは 超忍法 白神流の名にかけて -- 名無しさん (2022-02-04 19 51 11) 燃焼ポットで飛行逃げ撃ちすると強い -- 名無しさん (2023-05-07 19 29 34) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/499.html
前へ 先頭ページへ 醒めない夢は現実と変わらない、とは誰の言葉であったか。 例えば殺される夢を見たとする。 例えば楽しい夢を見たとする。 例えば不思議な夢を見たとする。 それらを夢と判断するものとは一体何か? 刺される瞬間、その痛みが無い事に気付く。 それは感触の喪失。 楽しんでいながら、それが現実では有り得ないと気付く。 それは現実の実感。 不思議な感覚に包まれ、何となく夢だと気付く。 それを判断するものは? 仮にだ。 全ての感覚が起きている時と全く同じであり。 現実に起こりうる事の延長線上の出来事が起こる。 それが夢ではないと言い切れるか? 極論だが、貴方がこの文を読んでいるのも実は夢なのかもしれないのだ。 ……そんな事を考えさせるほどに、2036年の技術は進歩していた。 それはバーチャルリアリティーとも仮想現実空間とも呼ばれるモノである。 0と1との信号の上に成り立つ世界。 その世界の絶対的な法則はプログラムによるもののみ。 やろうと思えば自由自在に空を飛べる。 やろうと思えば指先一つで地面を割れる。 やろうと思えば何でも、出来る。 それは、夢と似ている。 現実とは違いながらも、限りなく現実に近いそれ。 周囲に充満する火薬の匂い。 身体を包む空気の感触。 そして、剥き出しの敵意。 その全てが、現実と同じモノの総てがここにある。 バトルフィールド『都市』 高層ビルが立ち並び、信号が規則正しく点滅を繰り返す。 街角に佇む喫茶店の軒先に備え付けられたパラソルは風で揺れている。 その情景だけ見れば、現実と見間違うのも仕方が無いだろう。 しかし、それを現実と否定するものは、舗装された道路を穿つ弾痕では無い。 華やかな町並みと反比例して人影が見えない事でも無い。 唯一つ、それを否定するものは彼女達、二人の少女の存在。 武装神姫―――全高15cm程の大きさしか持たない彼女等が、人間と同じ縮尺で動き回っているという事だけだ。 その可憐な少女達は、全く同じ顔だった。 ストラーフ型の両者は全く同じ出発点ながら、進む道は異なるものだと言う事が窺い知れる。 片方のストラーフは、デフォルトの軽装備版で、四本の腕に異なる銃火器を持っている。 片方のストラーフは、デフォルトなのは脚部のみで、三本の腕に異なる装備を纏っている。 彼女達は都市の一角で激しい戦闘を繰り広げていた。 四本腕のストラーフは軽装型の機動性を活かして地面を蹴り、ビルを蹴り、空を蹴って三次元的な軌道を取っている。 ショットガン、マシンガン、グレネードランチャー、ハンドガンを巧みに使い分け、対峙するストラーフの接近を許さない 対する三本腕のストラーフは重装型の見た目とは裏腹に、その機動性は四本腕のストラーフにも劣らない。 三つ目の腕を用いる事によって無茶苦茶な体制で銃撃を避けつつ接近し、隙を見ては蛇腹剣を振るう。 両者が動く事にビルのガラスは砕け、コンクリートの道路は粉砕された。 それは一進一退の攻防であった。 どちらのストラーフにも、大きな損傷は見られない。 そして時が刻一刻と進むと同時に、その戦いも激しさを増していく。 その中でなお、戦況は均衡だった。 傍から見ればそれは決定力不足だと言う事が見て取れる。 四本腕のストラーフは火力こそあれど、どれも必殺の一撃を孕むという訳ではない。 どちらかといえば、ダメージを静かに蓄積させて勝利する長期戦向けの機体だ。 三本腕のストラーフは右腕に銃の様な物を装備してはいるが、未だに使用していない。 メインは伸縮自在の蛇腹剣だが、必殺の威力を孕む代わりに大振りな攻撃であるそれは対峙するストラーフを捉えられない。 観客の誰もが長期戦になる事を覚悟した。 しかし、状況というのはいつでも突然変わるものだ。 銃撃の隙を突いた三本腕のストラーフが、その右腕から無数の光弾を穿き出したのだ。 大気を激震させながら、雨のように撃ち出される光弾群の一発一発が必殺の威力を孕んでいるが、集弾性はお世辞にも良いとは言えない。 その証拠に、四本腕のストラーフは素早い身のこなしで光弾を回避している。 一発たりとも当たる気配は無い。 唐突に周囲を支配していた爆音―――三本腕のストラーフの砲撃が止んだ。 その代わりに空気を切り裂く鋭い音と共に、蛇腹剣の切っ先が四本腕のストラーフ目掛けて飛来した。 先程の光弾の雨はあくまで罠。 わざと広範囲に光弾をばら撒き、回避運動が単調になった所に蛇腹剣の一撃を見舞う。 しかし、四本腕のストラーフはそれをも見越していた。 蛇腹剣が迫り来る中、彼女は三本腕のストラーフに向かい駆けた。 大地を力強く踏み締めて、一気に駆け抜けた。 彼女は敵の行動をつぶさに観察していた。 蛇腹剣を使うとき、三つ目の腕で身体を補助していた事。 砲撃の時、蛇腹剣を沿えていた事。 それらの事から、二つの武装を同時に扱う事は出来ないと判断した。 この状況はピンチでありチャンスであると。 今の三本腕のストラーフに攻撃手段は無いと。 迫り来る蛇腹剣を腕の一本を犠牲にする事で防ぎ、三本腕のストラーフに肉薄した。 二つの同じ顔が間近に迫った。 そして、零距離射撃を叩き込もうとした瞬間。 「私に隙はありません」 ストラーフは笑った。それは勝利宣言だった。 三つ目の腕から生えている鉤爪が、四本腕のストラーフの胸部を貫いていた。 「師匠、お疲れ様ですっ!」 バトルが終わり、座って休憩してたらアリカが駆け寄ってきた。 「ああ」 セカンドリーグセンターであるここは、基本的に毎日盛況。 つまり、混んでいるのだ。 その中で少ない自動販売機を見つけて、買ってきて、持ってきたアリカに感謝というか、呆れ半分の感情を抱いた。 しかし、貰える物は貰っておくのが俺の信条だ。 膝の上に置いてある旧式のノートPCを弄るのを止めて缶コーヒーのプルタブを開ける。 「凄いですね、ナルさん。あの四重奏を打ち負かすなんて!」 クレイドルの上で休んでいるナルに、トロンベは興奮気味に話しかけている。 四重奏というのはナルが先ほど戦っていたストラーフで、四つの腕で四つの火器を巧みに操る事からその名で呼ばれている、それなりに名の知れた神姫だ。 「ようやく鉤鋼の使い方に慣れてきましたからね。次もこの調子で行きたいものです」 勝鬨を上げたにも関わらず、ナルは至って冷静だ。 「…勝率は6割って所か、悪くない」 缶コーヒーを口に運びながら、ノートPCに纏められた戦績を上から下までざっと見る。 特化型神姫にもそれなりの勝星を上げているので上場だが、少し引っかかる事もある。 それを調べる為に、再びノートPCを弄くる。 「……師匠って、バトルに勝って喜んだりしないんですか?」 今までずっと黙っていたと思えば、そんなを考えていたのかと事かと思ってしまう。 しかし、それもまあ当然の疑問だとは思うので、これにはちゃんとした答えで返してやる。 「まあ、個人の価値観の違いって言えばそれまでなんだけどな。 俺としては、結果よりも過程を重視してるんだ。 それに勝敗は関係無いし、むしろ負ける事からの方が学べる事は多いと思う。 勿論、勝てれば嬉しいけどな」 「確かに…負けて気付く事ってありますよね」 アリカの視線は、トロンベの方を向いている。 その顔に浮かぶのはかつての自分に対する憤りか、それともそれに気付けなかった事への後悔か。 「…それに気付いたんだ。もう二の舞いは無いだろう」 それにしても、コイツも随分と成長したもんだと思う。 このまま真直ぐ突き進めば、俺みたいな事にはならないだろう。 何となく気恥ずかしかったので、再びノートPCに向かう。 「師匠のお陰ですっ!」 曇りの全く無い、年相応の笑顔でそう言うと、ベンチに勢い良く腰掛けた。 そして、俺の直ぐ隣で足をぶらぶらさせながら俺のノートPCを覗き込んでいる。 「ほぇ~…師匠、毎回こんな事してるんですか?」 その中身を見たのかアリカは感嘆の声を上げた。 しかし、セカンドリーグランカーの半数くらいは同じ事をやっていると思うんだが。 「一戦しただけじゃ解らない事が沢山あるからな」 手短に説明しつつも、頭をフル回転させる。 この一週間での総バトル数は30回弱。 その内負けたバトルは11回。 そのデータを引っ張り出し、対戦相手を確認する。 ストラーフ、アーンヴァル、ハウリン、マオチャオ、ヴォッフェバニー、サイフォス、紅緒、ツガル。 多少の偏りはあれど、大体全神姫に負けている。 しかし、この中でなんらかの共通点がある筈だが、まだまだデータが少なすぎる。 「ナル、あと三回。行けるかい?」 「私はむしろウエルカムです」 あれから三日。 時は金なり、光陰矢のごとし、時は戻らず進むだけ。 俺はその貴重な時間を神姫バトルの為だけに注ぎ込んだ。 …別にニートって訳じゃない。これも研究の一環だ。 それはさておき、俺はこの三日間で三十数回バトルを重ねた。 そのお陰で、充分なデータをとることが出来た。 少し旧型のディスプレイの中で、所狭しと走り回るマオチャオ型。 それを捉えようと銃鋼と刃鋼を駆使するナル。 しかし、マオチャオ型の運動性は神姫随一のもので、捉えきれない。 そうこうしている内に、肉薄されるナル。 鉤鋼で引き剥がそうとするが、その前に胸部に強力な攻撃を加えられてK.O。 ナルを強化してから四十数回バトルして、マオチャオ型には五勝しかしていない。 今の装備は遠・中・近のバランスが一応取れている。 マオチャオ型以外の神姫には8割近い勝率を上げているのがその証拠だ。 だが、しかしだ。 今の装備は、 「重過ぎ、ですか」 「そう言う事だな」 ナルの言うとおりだ。 今の装備―――研究室のノリで作られた装備―――の一つ一つの性能は大したものだ。 しかし、それを三つも付ければ重くもなる。 その影響で低下した機動性を上げる為に全身にスラスターを付けるなんて、普通は考えない。 更に上がった重量は、およそ4kg。 普通の神姫のおよそ六倍近い。 そんな事だから、機動性は上がっても運動性は劣悪だ。 機体が大きくて重い分、それを動かすには相当のエネルギーが必要だ。 そして動いたとしても、多少のズレが生じる。 それが、致命的なのだ。 中・遠距離ならば問題は無い。 近接、超近接となると滅茶苦茶問題だ。 そういう戦闘スタイルを取る神姫は、だいたい高機動・低装甲型だ。 機体重量を減らしてある分、その運動性を以ってすれば銃鋼と刃鋼など止まって見えるだろう。 「…さて、どうするか」 選択肢は三つ。 一つ目は、装備の軽量化。 二つ目は、装備の簡略化 三つ目は、装備の追加 一つ目は銃鋼と刃鋼を初め、全身の装備を少しずつ軽量化していく。 そうすれば運動性も改善されるだろうが、装甲が減る分遠距離主体の神姫には勝ち難くなるだろう。 二つ目は現在の装備から、前の装備に戻すものだ。 アレは機動性、運動性共に問題は無いし、火力もある。 しかし、ナルのソフトウエアを一緒に戻すとなると、骨が折れる。 三つ目は小型銃火器を搭載するものだ。 左腕のマニュピレータは生きているので、あながち無理な話ではない。 「…刃鋼と銃を持ちかえる時に隙が生まれるのでは?」 ナルの言うとおりだ。 長所は短所。 何かを伸ばせば何かが欠ける。 あちらを立てればこちらが立たず、という訳なのだが。 「ま、人生欲張りに行こうや」 選べる選択肢は一つだけではないのだ。 バトルフィールド『メタルエンパイア』 建物、歩道、樹木、雲、生物etc…。 その全てが金属で構成された異形の国家。 ここに充満するものは、噎せ返るようなオイルの匂い、金属同士が擦れ合う音、蒸気機関によって生じるピストンの重い音。 空は鉄のような鼠色。雲は雷雲のような黒。 見ているだけで気が滅入るようなその場所は、少しずつ異音に包まれつつあった。 「ナル、調子はどうだい?」 「絶好調です」 鈍く銀色に輝く屋根の上を踏み砕いて駆けながら、ナルは主に返答した。 戦闘中にも関わらず、その顔には楽しそうな微笑が浮かんでいる。 「…第二アーム、3・8・5」 刹那、恵太郎の鋭い声が響く。 脚を踏ん張り、屋根を蹴り削ってスライディングの要領で急停止をかける。 勢いを殺しながら、左腕を鋭く、速く、大きく振りぬいた。 その動きは、刀身同士が自由に可動する刃鋼にダイレクトに反映され、腕の動きに一拍遅れて、しかし、何倍も速く飛んだ。 今までの刃鋼の最大刀身長は10sm。 最早ギャグだが、今の最大刀身長は3sm。 マオチャオの様な高運動性神姫に対抗する為の強化策が、刃鋼の可変刀身長と軽量化である。 刀身長を10smの遠距離モードと3smの近距離モードに設定する事によって、相手に応じてそれを切り替えられる様にした。 砲撃戦主体の神姫には遠距離モードで、マオチャオの様に近距離主体の神姫には近距離モードで。 そして、軽量化。 強度を維持しつつ、ぎりぎりまで軽量を重ねた結果、その速度は遥かに上昇した。 近距離モード時の剣速は、特筆に価するだろう。 金属イオンと蒸気で出来た大気を切り裂く様に、マオチャオ型の身体を切り裂こうと飛来する。 そして、実際切り裂いた。 が、しかし。 切り裂かれた筈のマオチャオの身体は、上半身と下半身に分かれているにも関わらず、データの塵へと還らない。 それどころか、一瞬の間の後で砂の城が崩れ落ちるように分解した。 「分身、か」 「…そのようです、マスター」 ナルは自身のセンサー類をチェックしながら主に応えた。 マオチャオ型のジャミングだろうか、センサー類は全く機能していない。 振り抜いた刃鋼を引き寄せながら、周囲に細心の注意をはらう。 異形の音が支配する、一瞬の静寂。 「…後ろだ、ナル!」 ナルの後方に、突如として五体のマオチャオが現れたが、それを確認する事無く前に向かって走り出した。 重装備にも関わらず、かなりの速度で駆けるナル。 しかし、機動性・運動性に秀でるマオチャオから逃げられる道理は無い。 「来るぞ……第三アーム 5、8、4!」 ナルは指令どおり鉤鋼で―――5割の力、8割の速度、4割の精度で―――背後から襲い掛かってきたマオチャオの一機を握りつぶした。 瞬時に崩れる分身。 それを一瞥もせずに、その場で反転するナル。 両足と鉤鋼で屋根を削りながら急停止すると、左腕を振り回した。 腕だけでなく、身体全てを使って刃鋼を自在に操る。 縦に、横に、斜めに、前に、後ろに。 二次元的な軌道ではなく、三次元的な軌道を取る。 銀色の屋根も、鉄色のパイプも、白い蒸気も、一切合切を、触れるもの総てを問答無用で切り刻む。 それに巻き込まれたマオチャオの分身は、文字通り微塵となって消えていく。 最後に残ったのは一体のマオチャオ。 刃鋼を引き寄せ、体勢を立て直すナル。 お互い、間を開けて対峙する。 「さあ、これで一対一ですよ」 周囲にはまるで刃の切っ先の様な鋭い空気が支配 「一対一なの~☆」 していなかった。 マオチャオ型のねここは天真爛漫としか言い様の無い屈託の無い満面の笑顔。 重苦しいフィールドでなお輝く笑顔は、正直不釣合いだ。 が、しかしだ。 彼女とて伊達に「雷光の舞い手」と呼ばれている訳ではないのだ。 笑ってはいるが、その構えに隙は無い。 「あははぁ、可愛い子猫ちゃんは大好きだよぉっと!」 ナルのスイッチが入ったようだ。 言い終わる前に全身のブースターを全開にして突撃した。 腰を落とし、前傾姿勢で駆けるナル。 だが、それに臆する事無くねここも駆けた。 機動性に定評のあるマオチャオ型であるねここの速度はブースターを併用したナルに劣りはするが、運動性では遥か上を行く。 一瞬でお互いの距離を詰め、交錯する二人。 先手を取ったのはナルだ。 背部の鉤鋼を伸ばし、ねここを握りつぶそうとする。 しかし、それを前方に大きく跳ぶ事によって回避するねここ。 懐に入り込み、右腕に搭載された電撃発生装置を使用したねここの決め技「ねここフィンガー」を決めようと構えている。 その威力を知っているものならば、すぐさま距離を離すかバリア系の防御システムを発動させるのが常套手段だ。 ナルもそれに漏れず、突き出した鉤鋼で金属製の屋根を掴み、身体を持ち上げた。 そして、バク転の要領でねここをやり過ごす。 着地と同時に向き直り、刃鋼で迎撃しようとするが。 「うわぁ、子猫ちゃんが一杯だぁ」 そこにいたねここは一体ではなかった。 文字通り無数のねここが其処に居た。 ねここに搭載された「イリュージョン・システム」によって発生した分身がその正体だ。 しかし、恵太郎もナルもそんな事は全く知らない。 知らない場合の結果は、大抵錯乱されてノックアウトだが、ナルはそれに近しい状況にあった。 一度に何十体ものねここがナル目掛けて飛び掛る。 その中に本物が居ないとも限らないので刃鋼で牽制しつつ距離を離そうとする、が。 「もらったのー!」 何もいない筈の背面から、ねここの声が聞こえた。 フックの要領で放たれた攻撃を上空に向かい跳躍する事で何とか回避する。 跳躍した上空からフィールドを眺めてみると、金属家屋の上に無数の緑とオレンジの点がうようよしている。 それら全てがねここの分身だ。 仮に、なんらかのサポートメカがいたとしても、センサー類を潰されている状態では察知は不可能だ。 暫しの空中散歩の後、派手に着地するナル。 その際に生じた金属粉の煙が足元から噴出した。 「第一アーム、直下砲撃」 ナルは銃鋼を足元に広がる金属製の屋根に向けた。 そして、何の躊躇いも無く撃った。 爆音と爆煙が周囲を包んだ。 ナルの足元は完全に陥没し、下にあった謎の工場へと落下していた。 「第二アームシフト。9,9,1」 分離した刃鋼がジャラジャラと音を立てて金属の地面に落ちる。 その場で一回転するように、渾身の力を込めて刃鋼を文字通り振り回す。 刃鋼の、今の最大刀身長は10sm。 それが家屋の柱を悉く斬り砕く。 綺麗な円形に斬り砕かれた一帯の家屋が金属煙を撒き散らしながら一気に倒潰した。 瓦礫がと金属煙が充満するソコは一寸先も見えない。 ナルは今、センサー類を潰されている。 この状況は絶対的に不利の様にも見える。 一方、ねここはイリュージョン・システムを起動、撹乱しつつ必滅のねここフィンガーを決めようとする。 「あはは、分身じゃあボクは倒せないよぉ?」 立ち込める金属煙の中、迫り来るねここの大軍団が身体を透過するのを一瞥もしないで周囲を見回すナル。 「良い事教えてあげるよぉ。投影型の分身っていうのは、当然実体を持たない立体映像だから、風が起きないんだぁ」 その言葉の示すとおり、ねここ達が激しく動いているのにも関わらず、金属煙は立ち込めているだけで動いていない。 「あと、もう一つぅ」 絶えず周囲を見回していた視線を、ある一点に絞りながら言った。 「たとえ光学迷彩をかけていてもぉ、風は起きちゃうん、だぁ!」 ナルは無造作に刃鋼を突き出した。 その先には、一見すると何もいない様に見える。 しかし、充満している金属煙が確かに揺らいでいるのだ。 「ばれちゃったらしょうがないの!」 光学迷彩を解除し、一気に距離を詰めるねここ。 刃鋼の一突きも難なくかわされてしまった。 それを確認すると、ナルは大きく後ろに跳んだ。 ねここは超近接型で、ナルは万能型。 しかもねここは小回りも利き、運動性は随一だ。 ナルの懐に潜り込めさえすれば勝利は確実だろう。 が、逆に言えば、近接以外の攻撃手段が乏しいねここはそれ以外に勝ち目が無いと言う事だ。 もっとも、ねここの二つ名「雷光の舞い手」と呼ばれる由縁たるシューティングスターがあれば別だが、今のところ目にしていない。 接近すればねここの勝ち、それを阻めばナルの勝ち。 それを理解している二人は、それを目指して火花を散らす。 ナルは高速機動で接近するねここに向かい、刃鋼を鋭く振るい応戦する。 しかし、それすらも軽々と避けながら、着実にナルとの距離を狭めていく。 刃鋼が踊る度、瓦礫は粉々に砕かれ破片が飛び散る。 装甲が厚いとは言えないねここに対して、それは必滅の威力を誇る。 刃鋼の剣速は速い。 その上、その複雑怪奇な軌跡を見切ることは普通の神姫には至難の業だろう。 だが、ねここは神姫随一の運動性を誇る。 迫り来る刃鋼を紙一重で避け、次の攻撃を予測する。 そして、それに備えた位置取りをし、また避ける。 ただひたすらにチャンスを待つ。 必ず仕留められるその時を待つ。 敵が隙を見せるその時を待つ。 焦らず、騒がず、冷静に。 理想的な動きであるそれは、経験から来るものではなく、獣の本能、狩りの本能に近いものだ。 そして、それは来た。 刃鋼を振るう合間合間、腕を振り回す時に僅かだが隙が生じている。 どちらかというと、武器を扱いきれない事から来る隙だ。 その一瞬の隙を突いて、一気に懐へと潜り込んだ。 「その間合いもぉ、ボクの間合いだよぉ」 しかし、そこにはナルの第三腕・鉤鋼がいた。 背後から生えたそれは、脇腹付近からねここを握りつぶそうと伸びている、が。 「!?」 突如、ナルの背中が爆発した。 その影響で一瞬動きが止まるナル。 「シューティングスターか!?」 光学迷彩によって隠されていたシューティングスター。 それに搭載されているLC3レーザーライフルの一撃。 遠隔操作によって放たれたその一撃が、ナルに一瞬の隙を生んだ。 しかし、ねここにとってはその一瞬で充分だった。 よろけるナルの懐で、右腕を引き左腕を突き出して構えるねここ。 その右腕に組み込まれた電撃発生装置が低い唸り声を上げる。 「ねここ!」 右腕から発せられる電気の奔流が、火花となって外部に漏れ出す。 電撃発生装置がフル稼働している証拠に、その唸り声も低く、大きくなっていく。 周囲に漏れ出す電撃を靡かせて、唸る右腕は吸い込まれるようにナルに伸びる。 「フィンガー!!」 右腕の唸り声が、否、咆哮が最高潮に達する。 腰を捻り、左手を引き、右腕を突き出す。 咆える右腕をナルの身体に押し当てる。 電撃発生装置によって生じた超高圧電流が、ねここの右手を通してナルの身体に流れ込む。 一撃必滅の威力を孕むその攻撃が、猛毒のように一瞬でナルの内部に浸透する。 雷撃が。 雷刃が。 雷鳴が。 侵略し。 蹂躙し。 壊滅し。 そして。 そして。 そして――― 「スパークぅ、エンド!」 文字通り雷光がナルの身体から発せられた。 断末魔を上げる事すらなく、ナルの身体は焼き切れた。 「マスター、負けちゃいました…」 クレイドルから出て来たナルは、存外に落ち込んでいた。 まあ、対マオチャオ用にセッティングしたと言っても過言じゃないので無理は無い。 「相手はあのライトニング・シルフィーだ。負けるのも無理は無いさ」 項垂れている頭を人差し指で撫でてやる。 これで元気になれば良いんだが。 「…いつか、あの子に勝てるでしょうか?」 俺を見るその眼には、後ろ向きな感情は宿っていない。 「ああ、きっと勝てるさ」 正直、俺は俺で良いバトルが見れたので満足なのだが。 先頭ページへ 次へ
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/690.html
SHINKI/NEAR TO YOU Phase01-6 慣れない天使型武装に身を包み、バトルフィールドへと降り立ったゼリス。 その姿にシュンは期待よりも不安の方が膨らんだ。 せっかくここまで順調にきていたというのに、どうやらこいつといるとトラブルは避けられない運命(さだめ)なのかも知れない。 「前がよく見えないです。これは私には必要ありません」 言いながら不満そうにヘッドギアを外すゼリス。シートの隣に立つ伊吹もあまり表情は冴えない。 「大丈夫……? やっぱりあたしたちが戦おうか」 「ボクらはいつでも〝じゅんびおっけー〟だよ」 心配する伊吹とワカナに、ゼリスは左手を上げ親指でグーサインした。 「ご心配は無用です。おふたりもそこで私の華麗な戦いを見ていてください」 それからゼリスは伊吹のさらに隣にいるふたりへ顔を向ける。 「ですから、あなた方も安心なさってください」 急に声を掛けられた本人はビクッとして肩を強張らせる。答えたのは彼の手が抱く天使型の神姫の方だった。 「ごめんなさい、私とショウ君が原因であなた達が戦うことになってしまって……」 傷ついた体から声を絞り出すような天使型神姫に、ショウと呼ばれた男の子はきゅっと手を握り締める。 今ゼリスが装備しているのは、伊吹が買ったアーンヴァルタイプのパーツと、ショウと彼の神姫から脚部パーツを借りて組んだものだ。口ではああ言いながら、ゼリスも彼らに何かしらの想いを抱いてるんだろうか。 「お願いだよ、お兄ちゃん。桜花の分まで……負けないで」 男の子の搾り出すような声を聞いて、シュンは頭の中から不安を追い出した。 シュンたちは戦うと決めた。それを今更後悔したところで意味はない。この男の子の様に虐げられた初心者の為にも、シュンは立ち向かわなくてはならない。それに。 「勘違いなさらないでください。私たちは決してあなた方の為を思って戦いに赴くのではありません」 何より、この戦いはゼリスが言うように―― 「あくまでも私たちの為に戦うのです」 僕たちの為の戦いなのだから。 「そう――頑張って」 か細い声で精一杯のエールを送る桜花に、ゼリスは再び指を立てて答えた。それから何を思ってかゼリスはシュンにも無言のグーサインを送った。いいからあまり指立てるなよ。 「シュっちゃん、私はこんな形でバトルをすることに、本当は反対なんだからね」 シートに座るシュンの肩にそっと触れながら、伊吹は諦めたように続ける。 「でも、こうなったら仕方がないよね。あたしも出来る限りサポートするから、バーンってやっちゃいましょう」 片目でウインクする伊吹の肩ではワカナが「えいえいおー」と拳を振り上げる。 シュンはふたりを安心させるように笑みを返しながら、口元を引き締め筐体のバトルフィールドを睨む。 フィールドの奥で腕を組むベガの先に、同じようにシートに座った番長治がいる。 「ふん、逃げなかったのは立派じゃのう」 「これは、僕とゼリスの為の戦いだからなっ」 真っ向から視線を叩きつけながら、シュンはゼリスにささやく。 「行くぞ、ゼリス」 「ええ、シュン。参りましょう」 答えたゼリスは改めて前方に立つ対戦相手、ベガに向き立つ。 「ベガ、いてかましたれいっ」 「サーの命ずるままに」 距離を置いて向かい合う両者の中央で、空間に文字が写し出される。 『READY GO!』 電信音声の告げる合図と共に、ゼリスは飛翔した。 戦闘開始と共にベガは地を蹴り一足飛びで間合いをつめた。 合わせるようにゼリスも背のスラスターを吹かし加速する。加速しながらハンドガンを構え、連射。それをあくまでも牽制と見切ったベガは身を沈み込ませるように屈むことで避けると、そのまま反動を利用して飛び蹴りを放つ。 彼我の距離と相対速度から無理に回避するよりも防御した方がリスクは少ないと判断したゼリスは、躊躇せずハンドガンを放り投げ、右に持った対物ライフルを使い、両手で頭上に掲げるようにガード。次の瞬間にはライフルにベガの体重を乗せたキックが炸裂する。 対物ライフルの銃身とベガの脚部装甲との激突による鈍い金属音。 攻撃は防いだものの、衝撃に弾かれゼリスは後方に飛ばされる。 否。自ら衝撃を利用して後方へと大きく間合いを取ったゼリスは空中でバーニアを数度噴射し最低限の姿勢制御を行うと同時に、対物ライフルの撃鉄を引き起こし弾薬装填。すかさず照星内にベガを捕らえる。発砲、地に着く間にもう一射。相手が態勢を立て直す間を狙った的確な射撃。 それをベガは一撃目の1.2mm弾を着地の不安定な姿勢をさらに強引に逸らすことで避け、すぐさま同一軌道を描く二撃の存在を驚愕でもって認めると、石火の速さで右腰のコンバットナイフを抜き放ち弾き飛ばした。 ナイフの刃を欠き砕くつんざくような激音を残して、目標を射止め損ねた銃弾は遥か後方左右へと着弾、爆煙をあげる。 煙柱立つフィールドの反対側では、ゼリスが必中と思える射撃のタイミングを防がれた事にも全く顔色を変えず、繰る繰ると落ちてきたハンドガンを無造作に左手で受け取り、ホルスターにしまった。 「ふむ……見事なお手前です。流石ですね」 「貴様こそ、本当に0戦0勝の素人か? その動き賞賛に値する。小娘が、言うだけのことはあるようだな」 「お褒めの言葉、素直に感謝します」 ニコリともせず丁寧に頭を下げるゼリスに、ベガは「フッ」とニヒルな笑みを浮かべた。 筐体上部に設置されたモニターが刻んだ数字はまだ数十秒と経過していない。のっけからの息をもつかせぬ両者の攻防に、遅れるように周りから歓声が上がる。 唖然と見守っていたシュンは、それでようやく我に返った。 「安心して見てろ、か……。やるじゃん」 いいながらシュンは軽く動揺していた。まさか、ゼリスがこんなに強かったとは。 「やるじゃん……じゃないわよ。ぜっちゃん、あれで本当に神姫バトルするの初めて? すごいわよ、すごすぎっ!」 やっぱすごいのか。神姫バトルマニアの伊吹がいうからには本当に凄いんだろう。ゼリスの自信満々な口ぶりからある程度は予想していたが、ここまでとは思ってなかった。 「くっ……。どうしたベガ、もっとけっぱらんかいっ」 「イエス・サー」 シートから飛ばされる番長治の檄にベガが再び間合いをつめ、接近を図る。対しゼリスは腰溜めに構え直した対物ライフルの銃撃で応じた。 「オーナーの言うことには絶対遵守ですか。ご苦労なことですね」 「愚問だな。サーの命ずるままに動き、サーの為に戦い、サーの望みを満たす。武装神姫であるならば至極当然のことに過ぎん」 弾丸を縫って猛攻をかけるベガ、その拳撃を避けながらゼリスは至近距離でさらにライフルを発砲。 「それで初心者狩りですか。貴方には、自らの意思というものはないのですか?」 その動きを読んでいたベガは、バック宙よろしく大きく身を仰け反らすと共に、自らに向けられたバレルを蹴り上げる。 「それこそ愚問。サーの望みこそ我が望み、サーの喜びこそ我が喜びっ……」 対物ライフルが明後日の方向へその銃弾を吐き出す中、態勢を崩した射手に左腰のナイフを投げつける。 「私にとって、サーの意思こそ我が意思だっ!」 鋭く弧を描きながら襲い掛かる刃を、ゼリスはとっさにホルスターから抜いたハンドガンを投げつけ叩き落した。 ゼリスとベガ。電脳空間を模した『サイバースペース』の戦場を舞う、二体の神姫の目まぐるしい攻防に、筐体を囲むギャラリーから喝采が上がる。 それぞれのシートから見守るシュンと番長治は、それぞれ対照的な焦りと傲慢の顔を互いに交わしていた。 「一見互角のようだけど、ぜっちゃんには手持ちがもうないわ」 シュンの焦りの理由を伊吹が代弁する。今日の戦利品であるあの対物ライフルの装弾数は確か五発。すでにアーンヴァルタイプ基本装備のハンドガンは失っている。ビームセーバーは始めから装備しなかった。 対してベガは元々格闘戦型。両腰のナイフを失っても、彼女は自身の拳や蹴り技が武器だ。今までの動きからこのベガ相手に流暢にライフルのマガジン交換をする猶予はない。 ――つまりゼリスに残された弾丸は一発。 今度弾丸を避けられたら、ゼリスには次の攻撃手段がない。 大丈夫かよ? そんな不安が過ぎるシュンを、ゼリスは一瞥すると、再びベガへと目を向け、言った。 「くだらないですね」 その言葉でベガの顔から表情が消えた。 「なるほど、確かに神姫は自らのオーナーを補佐し、望みを叶えるための存在。それが私たちの存在理由(レゾンデートル)です。しかし、ただひたすら相手に求め、求めるまま容認し、疑いもせずただ返す。そんなあなたたちの関係が正しい在り方であるとは思えません」 沸き立つ熱気に騒然とする中、ゼリスの淡々とした声がフィールドに響く。 「あなたたちは、ただ互いに依存し合っているだけです」 きっぱりと告げるゼリスに、ベガがキッと唇を噛む。 「何挑発してんだよっ。まずいだろうがっ」 思わず叫びながらシュンは焦った。対戦相手を本気で怒らせてしまったようだ。向かいのシートを見れば番長治も額に立てた青筋をピクピクさせながら、低い唸り声を上げてる。つーか血走った目がかなり本気で怖いんですけど? 「別に、ただ素直な感想を述べただけですよ?」 何か問題が? といった顔で問い返してくるゼリスを見て、シュンは何だか頭が痛くなってきた。ただでさえ不利な状況なのに、ゼリスときたら全く普段と変わらない。 「うぬら、ワシらを本気で怒らせたいようじゃのうっ」 「私のみならず、サーをも侮辱するその言葉。覚悟はいいか、小娘っ」 押し殺した番長治の声に、再び強い表情を取り戻したベガが猛然とダッシュする。その顔に浮かぶのは怒りだ。 その裂帛の気合と共に猛進するベガに、ゼリスは冷静にライフルの照星を絞る。 突如ベガがフィールドを疾走しながら何かを放る。彼女の周りで立て続けの閃光と爆発。 隠し持っていた手榴弾――! 巻き起こる爆発と生じた噴煙が駆けるベガの姿を覆い隠す。しかし、ゼリスは爆煙にも動じず、なめらかな手つきで引き金を引いた。 揺らめく噴煙に僅か垣間見える疾駆する影。放たれた銃弾は糸で繋がれたように、その合間を一直線に跳ぶ。 ――勝った。 誰もがゼリスの勝ちを確信した瞬間、だが目の前で信じられないことが起きた。 再度の爆発。回避不能の銃弾を前に、ベガがまた手榴弾に点火したのだ。自らの直後で。 恐るべきベガの執念。 前方へと浮き上がるベガの体、その横を際どく弾丸が抉る。だが、弾丸は外れた。至近での爆発で自身ダメージを負いながら、それでもベガはゼリスの必勝の一撃を回避、今眼前へとその身を躍らせた。 ベガは勝利を確信した顔でゼリスに向かう。 踏みしめる衝撃で地が爆ぜ、駆動系の限界まで振り絞り、振るわれる拳が空気を唸らせる。脚部の補助バーニアまで全開にした、全力の、そして止めの拳撃。 シュンはゼリスの名を絶叫した。 ▲BACK///NEXT▼ 戻る
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1519.html
神姫ちゃんは何歳ですか?第二十八話 天使の舞い降りた夜 書いた人 優柔不断な人(仮) 「おーい香田瀬、悪いけどコレを運んでいってくれ」 商品開発を終え、割と暇な年末を過ごしていると不意に営業の富士田部長からお呼びがかかった 技術部と違って営業部は戦場のような忙しさだった これから年末年始にかけ、各店舗では大規模なセールが行われる 今日日、在庫一掃セールだけでは客は来ないので、新商品や定番商品なども大量に店頭に並べる必要がある その為、我が社としても大量に発生する受注を処理しなければならない 基本的には取引をしてる運送屋に依頼するのだが… 「…全く。なんで伝票を見落とすんだ!…」 どうやら、午後の発送が終わった後に伝票が出てきたらしい 「すいません、白雪関連の伝票だったもので、分けておいたのですが…」 営業の新人が言い訳するも 「置き忘れてどーする!…全く、近くだから良かったものの…」 と一喝される 「まぁ、富士田部長、そのくらいに…彼もまだ慣れてないのですから」 「すまんな香田瀬、そういう訳でコレを『エルゴ』まで運んでいってくれるか?」 と言って俺に小さな箱を渡す富士田部長 「白雪用の補修パーツですね」 「夕方に引き取りに来るそうだ。まだ時間はあるが、道も混んでるだろうし、気を付けてな」 「分かりました、行くぞユキ!」 俺はユキをナビシートに乗せ、車を走らせた ユキのナビゲーションにより(といっても、GSPやVICS等から受けた情報をユキが教えてくれるのだが)比較的すんなりとエルゴに辿り着いた といっても、店の近くは渋滞しており、少し離れたコインパークに車を停めたのだが 「こんにちわー」 「あら、いらっしゃい」 迎えてくれたのはこの店の看板娘のうさ大明神様だ 「誰がうさ大明神ですか」 「心を読まないでくださいよジェニーさん。それより、頼まれてた物を持ってきました」 「それじゃあ、中身を確認しますので、開けていただけますか?」 俺は、ジェニーさんに言われた通りに箱を開ける 「…っと、はい大丈夫です」 ふよふよと浮きながら中身を確認するジェニーさん …いつ見てもシュールだ 「それじゃ、ハンコお願いします」 「わかりました、よいしょっと」 ぽん 伝票の上に着地するジェニーさん 再び浮くと、そこに判が押されていた 「確かに。有り難うございました」 「こちらこそ、急な発注でごめんなさいね」 「それにしても混んでますね」 さすがにシーズンなだけあって、店内は混雑していた 人も、神姫をクリスマスという事で楽しい気分になっているようだった ささやかながらも装飾された店内が、その気分を一層盛り上げてるようでもあった 「そうなのよ。売り上げも好調で、在庫が足りなくなってきそうだから、他にも色々追加で発注したのよ」 「日暮さんも無事に新年を迎えられそうですね」 元々ジェニーさんと二人でやっていたこの店も、いつのまにか自称オーナーの高階さんと彼女の神姫のオウカちゃんが増えて賑やかになっていた 「すごい賑やかになりそうですが…」 困った口調とは裏腹に、嬉しそうな顔のジェニーさん 「楽しそうですね」 「あら?香田瀬さんも大変じゃない?」 「そうですね」 「そっちも楽しそうじゃない?」 「そうですね。楽しみです」 等と話してると 「ジェニーは~ん、何時までもサボってないで、はよレジ打ちに戻ってや~」 「すいませんジェニーさん、引き留めちゃって」 「いえ、いいんですよ」 「それじゃあ俺はこれで。ユキ、帰るぞ」 俺は店内のスペースで他の神姫達と話していたユキを呼び寄せた 「あ、はーい。それじゃ、またね」 ユキが神姫達に別れを告げた後、俺達は店を出た 「うわ、変わってねぇ…」 あいかわらず駐車場は満杯、外の道も渋滞が発生していた 「離れた所に停めてよかったね…」 「そうだな…」 うっかり店の前まで来てたら出られなくなるトコだった 見れば遠くに運送屋の人も見える 俺達のように離れた所に停めて荷物を店まで運ぶようだが… 「重そうだね」 神姫のパーツだけだった俺達と違い、彼らが持っているのは大きなダンボール箱であった 箱にはラインバレル・ロボティクス社のロゴが入ってる 「神姫のフルセットか」 俺達は狭い車の隙間を歩いてくる運送屋をやり過ごす為、その場で待っていた しかし ブロォ~ン! 脇道から、一台のスクーターが飛び出してきた 「うわっ!」 ダンボールで死角となり脇道が見えなかったのか、運送屋が気づくのが遅れた 「やべっ!」 慌ててブレーキレバーを握り、急停止をするスクーター キキーッ さらに車体を倒し避ける ドスン ギリギリ当たらなかったものの、驚いた運送屋は倒れてしまった。そして… ガン! 持っていたダンボール箱がガードレールへと当たる バラッ ダンボールが破れ、中に入っていた黄緑と朱色の箱が飛び出し、イルミネーションが施されている民家の塀に当たる グサッ! 箱は二つ共、もっとも薄いウインドウ部分にプラスティックの星が当たる バチィッ! 電飾がショートし、切れる プスプスと音を立て、焦げた臭いを立てる二つの箱 「なんや?何があった…」 「来ちゃダメだ凛奈さん!」 物音を聞き店の外を窺おうと出てきた凛奈さんに俺は叫んだ 彼女にはこの光景を見せたくなかったからだ いや、神姫には見せたくなかった 出来るならユキにも見て欲しくなかった 何故なら 神姫が産声を上げることなく『死んだ』瞬間だったからだ 「すいません、ウチの方で弁償しますので…」 ペコペコと頭を下げる運送屋 結局あのままスクーターは逃げてしまい、運送屋は日暮さんに平謝り 目の前には焦げた箱が二つ並んでいる 金銭面の問題はカタがつく。運送屋もこういう時のために保険に入ってるのだから しかし、心情面での問題は… 『もし、こんな事にならなければ、どんなオーナーの元へと行ったのだろうか?』 ふとそんな事を考え、彼女達を見る 外装スキンの一部は溶け、内部骨格まで見ている ティグリースの方は右腕が、ウィトゥルースの方は両足が砕け、痛々しい 頭の方はこんなに綺麗なのに… ふと、技術者としての俺がこう考える 『まだ、直せる』 「ねぇ…お兄ちゃん…」 ユキの声に我に返る 「…なんだ?」 「この子達、直せないのかな?」 ユキも同じ事を考えていたようだ そんな俺達の会話に運送屋が割って入る 「直すって言ってくれるのは嬉しいですが、傷物になっちゃ売り物にはなりませんから…」 「いや、そういう事じゃ無いんだ」 「へ?」 俺の返事に戸惑う運送屋 「日暮さん、この子達を俺に売ってくれ」 「センパイ!こっちです!」 日暮さんを説得し、二人を引き取った俺は大急ぎで会社へと戻った 商売人として壊れた神姫を売ることに難色を示していた日暮さんだったが、思いは俺と同じなのか最後には応じてくれた ちなみに原価で譲ってくれると言ってくれたが、丁重にお断りして定価で売って貰った。安く譲って貰うと、彼女達がまるでジャンク扱いでもされるようだったからだ 勿論、日暮さんにそんな意図はないのだが 戻る途中、ユキに皐月へ連絡して貰い、緊急手術の準備をして貰っていた 「皐月、準備は出来てるか?」 「勿論です。ラインバレル・ロボティクス社の方からもデータが届いてます!」 一見無事に見える頭部だが、電気ショックを受けた為、データが飛んでしまっている可能性が高い。したがって、失われてしまったデータを再入力する必要があった 本来、神姫の根幹プログラムのデータは非公開である にもかかわらずこうして寄越してくれるのは、水那岐部長のおかげだろう 「本体の…方も…準備…出来て…ます…」 そう言って水那岐が二つの箱を差し出す 中に入ってるのは、来春発売予定の新型素体『タブリス』だ 『自由意志の天使』の名が付けられたこの素体は、先頃発売されたMMS2ndをベースに、白雪で培った技術を投入し、さらに武装神姫規格のパーツをそのまま使う事が出来るように改良された物である スペック的には通常素体と白雪LMとの間くらいだが、価格は2神姫程にまで下げる事が出来た 「まずは、損傷箇所のチェックからだ」 俺は二人をスキャン装置へとセットする 少しの時間の後、二人のダメージ状況が表示される …やはり状況は真っ赤だ 砕けた手や足は勿論、電撃に晒された本体も内部に大きなダメージを受けていた 「…でも…CSC関連は…なんとか…無事です…コアユニットは…内部に…物理的な…損傷は…ありません…」 しかし、さすがに中枢部は幾重にも保護が為されており、中枢部のダメージは無いとは言わないが思った以上に軽微だった さらにコアユニットに至っては、素体換装をする人もいるため、クレイドルでセットアップを始めるまでは仮止めのみで接続自体されていないのだ 「起動してなかった事が幸いしてますね」 起動していなかった為、過剰な電流が流れずに物理的な被害が最小限に押さえられたようだ もっとも、起動していればこんな事にはならなかったのだが 「これなら、修理すれば問題は無い。あとは頭部の方だな…」 俺は頭部を取り外し、模擬体へと接続する これは本来、初期不良が無いかをチェックする為の物である。コアユニットを作っていないウチの会社だが、白雪のセットアップで神姫を組み立てる場合も多い その場合には、各社からコアユニットとCSC中枢部、武装一式を直接取り寄せて組立て、お客様に発送するのである 「さて、内部のエラーチェックはっと…」 『感情プログラム・エラー、言語プログラム・エラー、バトルサポートAI・8,12,32エラー…』 「さすがに、半分が飛んでるか…」 消えたデータを修復すべく、送られてきたデータを入れようとディスクを探してると… 「あのねお兄ちゃん、ちょっと提案があるんだけど…」 ユキが俺に話しかけてきた 「ん?どうしたユキ?」 「あのね、その壊れちゃったデータ、私から直しちゃダメかな?」 「私からって…自分のデータをコピーして入れるってのか?まぁ出来なくは無いが…」 「ううん、そうじゃなくて、私が直すの。二人の中に入って、教えてくるの」 「…つまり、二人とユキを接続して、デバックしてくるって事か?さすがに無茶だ!一人で二人分のデバックをするなんて!」 ユキの無茶な提案を俺は止めた ユキの体は高性能な白雪のテストモデルだが、コアユニットそのものは普通の物だ。そんな高負荷かけたらどうなるか分かったモンじゃない 「一人じゃなくて、みんなでやればいいのだ」 声に振り返れば、4人の小さな人影があった ミチル、ムツキちゃん、花乃ちゃんにひじりんであった 「あ、あの…健志郎さん、私も頑張りますから」 「私はまだ他人のデバックが出来る程の経験はありませんが、みなさんをバックアップ致します」 「ひじりんも、みんなのお手伝いをするよー」 「ケンシロウ、ここで皆の申し出を袖にしては男が廃るぞよ?」 「みんな…思いは…一緒です…」 「そうですよセンパイ。みんなでこの子達を助けましょ!」 「みんな…有り難う…よし、必ず助けるぞ!」 『おー!』 と言う訳で、コアユニットのプログラム修復はユキ達神姫組が、素体の修復は俺達が行う事にした CSC中枢部の移植は俺が、それ以外の所は観奈ちゃんが行い、それを水那岐と皐月がサポートする 神姫組は模擬体とユキ、ミチル、ムツキちゃんを接続し、外から花乃ちゃんとひじりんがモニターをする 「よし、出来た。ティグリースの方の仕上げを頼むぞ」 「…センパイ、その呼び方辞めません?」 「…は?」 「名前ですよ名前!ちゃんと付けてあげないと!」 「…そうだな。実は考えてあったんだが、セットアップ時じゃ無いとマズイかなって」 「別に…セット…アップ時…じゃなくても…いいんですよ…」 「そうじゃな、ここはやはり、ちゃんとした名前で呼びたいものじゃ」 う…なんか非難されてる俺? 「えーコホン。ティグリースは『ティール』、ウィトゥルースは『ファロン』だ」 「ティールちゃんに」 「…ファロンちゃん…」 「可愛い名前なのじゃ。花乃、火蒔里、ミチル達に教えてやるのじゃ」 「分かりました」 「りょーかいっ!」 「…なんで今?いや別に良いんだが、ユキ達も大変じゃないか?」 「デバックする時には、相手の名前を呼んで上げた方が落ち着くのですよ」 「まぁコレは神姫特有のものだから、ケンちゃんは気にしなくていいよ」 「うーむ、そういう物なのか…っと、ファロンの方も出来たぞ」 「センパイ、早いですよ~」 「まぁこっちも頼む。俺はもう一つやらないといけない事があるんでな」 「もう一つって?」 「コレさ」 と言って俺は作業台の上に壊れたパーツを並べる 「コレって、二人の武装?」 「その通り。真鬼王も直してあげないとな。コッチはデータが飛んでても、神姫から写す訳にはいかないし。ついでに強化もしておこうと思ってな」 「ふえ~、見てる間に分解されていく…さすがセンパイ」 「皐月殿!こっちを忘れては困るのじゃ」 「あっ!ゴメンゴメン…」 こうして、体の方の修理は順調に進んでいった 闇 そこにはただ何もない空間が広がっていた いや、二つの光る物が寄り添っていた 一つは右腕を失った人影。もう一つは両足を失った人影 泣きそうな表情で辺りを窺っている そんな二人に三つの光が近づいた 「あう…」 「もう大丈夫だよ」 光の一つが話しかけてきた その光は人の形へとなった ユキであった 「そっか…話すことが出来ないのだったのだ」 もう一つはミチルに 「でも、私たちが教えてあげます…色々な事を…」 最後の光はムツキへと 「さあ、おいで。ティールちゃん、ファロンちゃん」 二人に手を伸ばすユキ 「え…あ…う…」 「そう。あなた達の名前」 右腕の無い方に向かって 「貴方がティールちゃん」 足の無い方に向かって 「貴方がファロンちゃん」 二人は差し伸べられた手をしっかりと握り 「えう…ちーる…?」 「…はろん…?」 答えてくれた 「これから二人に、色々なことを教えてあげるのだ」 「だから。もうちょっとだけ頑張りましょ」 三人の呼びかけに、二人は顔を見合わせた後 「「…うん!」」 力強く、満面の笑みを浮かべて答えてくれた それと同時に、暗闇に一つの光が現れ、辺りを強烈に照らし始めた 「うーっ、大丈夫かなぁ…」 夜、二人の修理は無事終わり、あとはセットアップをするだけとなった 「センパイ、落ち着いてください」 「…そう…ですよ…診断も…異常なし…なのです…から…」 「そうだな、よし!起動するぞ…」 キーボードを叩き、起動プログラムを実行する 最後に本体の診断プログラムが作動し、チェックを行う 『各部問題無し。これより、セットアップを実行します。貴方がオーナーですか』 「ああ、俺が君たちのオーナーだ。名前は香田瀬健四郎」 『了解しました。それで、オーナーの事は…』 ホっと一安心 「パパと呼ばせて戴きます」 「親父と呼ばせて戴きます」 …はい? 「ちょっと待て!ここは「何とお呼びすれば宜しいのですか?」じゃないのか!?」 そんな俺の言うことは無視して目を閉じる二人 そして再び開いたとき、生気の籠もった目で俺を見つめ 「この度、私をお買いあげ戴き有り難う御座います、私は寅型MMSのティールと申します。これからよろしくお願い致します」 「よっ!あたいを買ってくれてサンキュ!あたいは丑…まぁ見りゃ分かるか。名前はファロンってんだ。ヨロシクな!」 ぽかーん 呆気にとられる一同 「…おかしいですね、デバック時に名前で呼んでも、セットアップ時には忘れているはずなのですが…?」 どうにか正気に戻った花乃ちゃんが言った 「なんで、名前知ってるんだ…?」 「え…そういえば、まだ名前付けて戴いてませんでしたよね…?」 自分の発言に驚くティール 「まぁいいじゃん、細かい事は。んじゃ変える?」 笑いながら答えるファロン 「いや、その名前で良いんだが…」 「ほっ…良かったです。なんかこの名前、とても大切な気がしたので」 「だな。あーは言ったが、実際変えるって言われたらどうしようかと思ったよ」 「大切?」 「ええ。とっても大切な名前です。私たち、夢を見てのです」 「夢?」 不思議に思って訪ねてみる 「…突然まばゆい光に包まれたかと思ったら、深い闇に飲まれそうになって、手をのばそうと思ったら右手が無くて、隣でもがいてるファロンも両足が無くて、だんだん意識が遠のいていったのです」 これってまさか… 「そしたらさ、あたい達を闇から救ってくれたおっきな手があったんだ。とても大きくて、とても暖かい手が」 「その後に現れた光が、私達に名前をつけてくれたのです…そんな夢」 この子達…覚えてるのか? 起動して無くても、自分の身に起こった事を… 俺は二人にそっと手を添え、こう言った 「これからヨロシクな」 「はい…この手…暖かい…」 「ああ…この手だ。あたい達を助けてくれたのは…」 俺は泣いていた いや、みんな泣いていた よかった… この子達を助けられてよかった…
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1004.html
時計の長針が十二に移ると同時、短針が八を指す。 かちりというかすかな音がして。続いて響き渡るのは、朝の静けさを打ち破るベルの音だ。 リリリリリリリリ…………。 「みゅぅぅ……」 クレイドルの上。むくりと起き上がった小さな影は、恨めしそうに机の上の時計を睨め付ける。 彼女が眠るクレイドルも、同じ机の上に置いてある。もっと細かく言えば、時計のすぐ隣に。 「……うるさいですわね」 大きなあくびをしながら、聴覚センサーから入ってくる音量情報を少しばかりフィルタリング。耳障りなベルの音だけが意識の外へと追い出されるよう、調整をかける。 朝の静けさが戻ったところで、主の名を呼んだ。 「朝ですわよぉ、マスター……」 けれど、傍らのベッドで丸まっている毛布の塊からは、何のリアクションも帰ってこない。 「マスターってばぁ……」 もそもそとクレイドルの上を這いずって、寝る前に出しておいた服を手繰り寄せる。 神姫のAIは、それぞれが確固たる個性を持つ。彼女はそのうちの一つに、『朝が苦手』という不名誉な特性を与えられていた。 「ほら、鳴ってますわよ……」 クロックの上がらない頭で体を動かし、薄手のシャツとパンツを着込む。だが、たっぷりの時間を掛けて着替え終わってもなお、丸まった毛布は沈黙を守ったまま。 リリリリリリリリ…………。 音こそ聞こえないが、机の上のわずかな振動はベルがいまだ抵抗を続けていることを伝えてくる。 「さすがに、ご近所迷惑かしら」 彼女が着替える間も、時計のベルは鳴りっぱなし。邪魔なだけならいい加減止めてしまおうかと思ったところで、ついに毛布が動きをみせた。 「マ……」 毛布からにょきりと伸びるのは、細い右手が一本だけ。 それがついと時計を指差せば。 リリリリリ…………リン……。 わずかな残響音を残して、時計の振動はそれきりぴたりと止まってしまう。聴覚センサーのフィルタリングを解除しても、耳障りなあの音は聞こえてこなかった。 その成果に満足したのか、右手はごそごそと毛布の中に戻っていく。 「ちょっとぉ……。今日は峡次さんをお手伝いするんじゃなかったんですの?」 声を掛けても返事はない。 それどころか、毛布の中からはくぅくぅと穏やかな寝息さえ聞こえてくる始末。 「……もう、知りませんわよ」 はぁとため息を一つ吐き。 小さな少女は机に腰掛け、主の目覚めを待つことにするのだった。 マイナスから始める初めての武装神姫 その2 後編 ベッドの上で次の変化が起きたのは、それからかなりの時間が経ってからの事。 「んぁ……」 私が起きてすぐの時より、その変化は随分と大きい。毛布の塊がむくりと身を起こし、大きなあくびをひとつして。 パジャマの袖が、ベルの止まった時計を捕まえる。 「今、何時ぃ……?」 目をこすりながら時計を眺めるマスターに、私は静かに言い放った。 「もう十一時ですわよ」 その瞬間、丸まっていた毛布が一気に吹き飛んだ。 「ちょっ! プシュケ、何で起こしてくれなかったのよ!」 まったくもう。 起きるまでは時間がかかるクセに、起きてからはすぐ本調子ですのね。うらやましい限りですわ。 「何度も起こしましたわよ。返事はありませんでしたけど」 「っていうか、時計誰が止めたのよ! スヌーズのスイッチまで切ってあるじゃない!」 忠義者の時計をベッドに放り投げ、パジャマのボタンを外しながらタンスの前へ一直線。 「……マスターが、いつもみたいにご自分で」 パジャマのズボンが、私の前をぽーんと元気良く飛んでいく。 もう。誰が片付けると思ってるんですの? 「プシュケー! これとお揃いのブラ、どこ入れたっけー?」 その声に振り向けば、タンスの前では白いショーツに包まれたお尻がふりふりと揺れている。 「……そっちのタンスの、二段目ですわ」 「あとTシャツはー? 汚れてもいい、白いヤツー」 白いヤツっていわれても……マスター、ご自分でどれだけ白いシャツ持ってると思ってますの。 「そっちの三段目は見ましたの? そこになかったら、私知りませんわよ」 まったくもう。少しは自分で覚えるくらい、したらどうですの? 「あと白いシャツだと、下着透けますわよ?」 指摘してみたら、あーとかうーとか言いながら頭を掻いていたりする。間違いなく、考えてなかったんですのね。 「じゃ、黒いのは?」 「……同じ所に入ってるはずですわ」 ああもぅ。 我がマスターながら、情けない。 「よし、着替え完了っ!」 Tシャツにスカート。ラフな格好はともかく、峡次さんを手伝いに行くなら、せめてスカートじゃなくパンツにした方が……。 そんな事を考えていると、マスターは私の前をまっすぐに横切っていく。 「……どこに行くつもりですの?」 そちらはベランダで、玄関は逆ですわよ? 「ん? どこって、アイツ手伝いに」 何の迷いもなくがらりと窓を開け、ベランダへ。手すりをひょいと乗り越えて。 「ちょっと!」 そのまま、一気に飛び降りた! 掃き出しの大きな窓を開ければ、そこは巴荘の庭だった。 猫の額ほどの庭だけど、芝生もあるし、自転車なんかを入れる倉庫もある。五、六人くらいのちょっとしたパーティーくらいなら開けそうだ。 「……へぇ」 そうか。ここ一階だから、そのまま庭に出られるんだっけ。一階は色々不便だって聞いてたけど、荷下ろしも楽だったし、案外捨てたもんじゃないな。 「どうしたんですか? 峡次様」 玄関から入ってすぐの台所で食器を片付けてくれていたベルが、そう声を掛けてくる。 「いや、庭に出られるんだな、と思ってさ」 もちろんベルは神姫だから、食事用の大きな食器を片付けられるわけがない。コップとかナイフとか、小さな物をお願いしてるだけだ。 「ベルも出る? 巴荘の庭なんて、珍しくないだろうけど」 「ふふ。早いですけど、ちょっと休憩にしましょうか?」 割烹着姿のベルもくすりと笑って、俺の肩に飛び移ってきた。 玄関からサンダルを取ってきて、窓から庭へ。 うん。悪くない。 「思ったより早く終わりましたね」 庭に出るとき時計を見たら、まだ十一時少し前だった。実家で荷造りしてたときは一日じゃ絶対終わらないと思ってたけど、出すだけなら案外早いもんだ。 「ベルのおかげだよ。ありがと」 手伝いがあったのもだけど、巴荘のどこに何を置いていいのかを教えてくれた事が大きかった。俺一人だったら、ゴミをどこに捨てればいいのかの段階で詰まっていたはずだ。 「私は何もしていませんよ。感謝なら、鳥小の配慮に」 俺の肩に腰掛けて、ベルはそう言って笑ってる。なんかなぁ、すごい出来た神姫だよな、ベルって。 こんな良い子のマスターだなんて、鳥小さんがホントにうらやましい。ベルを見てたら、サイフォスって選択もアリだったな……と思えてしまう。 「だよなぁ。バイトから帰ってきたら、お礼言わないと。……そうだ」 昨日は夕飯をご馳走になったし、後で何か差し入れを持って行く事にしよう。 そんな事を考えながら、天を仰いで背伸びを一つ。 「ね、ベル。鳥小さん、好きなお菓子とか……」 そこに見えるのは……。 「……白」 何だか白い物と。 「テキサスコンドルキーック!」 ごき。 鋭い叫びに打撃音が重なって。 それきり、俺の意識はあっさりと暗転した。 「……っ痛ぅ……」 ぐらぐらする視界を目を閉じて遮って、まずは背中の感触を確かめる。 土の感触。巴荘の庭の感触だ、うん。 倒れてるけど、手も足も動く。音も聞こえるし、鼻も……草の匂いがする。とりあえず、五体は無事らしい。 「大丈夫?」 掛けられた声にうっすら目を開けてみると、揺れる視界の中、小さな女の子の顔が見えた。 小さいって言ってもベルみたいな神姫じゃない。小柄な、人間の女の子だ。 「あ、ああ……」 伸ばされた手を取って、倒れていた身を引き上げる。 何が起こったのかさっぱり分からないけど、この子なら現場を見てたかもしれないな。 「……俺、どうしたんだ?」 見れば、女の子の頭にはジルダリア型の神姫が乗っていた。 「さ、さあ?」 手を離し、女の子は苦笑い。 って、同じネタが二度通じるかバカ野郎! 「さあじゃねえ! 今日はしっかり見てたっつの!」 空を見上げて見えたのは、上からダイビングしてきた千喜と、それを慌てて追い掛けるプシュケの姿。 まあ、見えたなら逃げられたんじゃないか、って質問は勘弁して欲しいワケだが。 「何で上から来るんだよ! 階段使え、階段! 俺を殺す気か!」 っつーか、途中で俺を狙って軌道変更したんじゃねえかってくらい直撃だったなオイ! 「いいじゃない。手加減したんだし」 いやいやいや。 千喜さん? 万有引力とか自由落下とか、理解してます? 「落下技で手加減とか、どうやったら出来るっつーんだよ! むしろ膝入れてたろ! 膝!」 「そりゃ、テキサスコンドルキックなら膝が入るに決まってるでしょ」 なんで蹴る事が前提なんだよ。 「峡次様……そのくらいで」 うう……。 ベルにそんな目で見られちゃ、それ以上何も言えないじゃないか。 体も大丈夫みたいだし、仕方ないな。 「……で、何。俺を蹴りに来ただけだったら、とっとと自分の部屋に帰れ」 「せっかく手伝いに来てあげたのに何よ。どうせ人手、足りてないんでしょ?」 あー。 なんか無い胸そらして得意そうに言ってるけど……。 「終わったよ。九割がた」 千喜の返事が来たのは、たっぷり深呼吸出来るほどの時間が過ぎてからのこと。 「……へ?」 「だから、終わったっつの」 もう一度、ダメ押しに言ってやる。 「嘘だぁ」 今度は即答かよ。 「そんな嘘ついてもしょうがないだろ」 大きい家具は運送屋さんがそのまま運び入れてくれたし、自転車なんかはベルが置き場所を教えてくれた。それがなかったら、途方に暮れてただろうけど……。 とりあえず今は、困ったところは何ひとつなかったりする。強いて言えば、予定が早く終わりすぎて持てあまし気味ってとこか。 「じゃああたしの立場は!」 「立場って言われてもなぁ……」 ぶっちゃけ、無いとしか言いようがない。 「峡次様……」 ベルは困ったような目で見上げてくるけど、俺だってどうしようもないよ。 後は本の整理や細かい物を棚に入れるだけだから、自分でやらないとどこに何を入れたか分かんなくなるし。 「そうだ!」 俺とベルが困っていると、千喜は何を思いついたのか元気良く立ち上がった。 「今度は何だ」 なんかもう、嫌な予感しかしないんだが。 「武井峡次! 我々は、引っ越しそばの提供を要求するっ!」 ……。 「ちょっ、マスター! それは、私もコミなんですの!?」 お前ら、もう帰れ。 「何か、工具とか多いねぇ」 引っ越しそばをすすりながら、千喜はぽそりとそう呟いた。 「ああ。地元じゃ神姫の武器とか作ってたからな」 一人用の丸テーブルの隅で、俺もそばをすすり込む。 ネギしか入ってないかけそばだけど、引っ越したばかりの俺の部屋に何でネギがあったのかというと……これまた、ベルが鳥小さんの部屋から持ってきてくれた物だったりする。 鳥小さんとベルにはもう頭が上がらない気がするぞ。鳥小さんとベルなら、別にいいけど。 「武装を? 神姫持ってないのに?」 こら、箸の先を振り回すな。汁が飛ぶだろ。 「……知り合いに頼まれて作ってたんだよ。工具だけはあったからな」 GFFやSRWの武装を触った事はあったから、規格に互換のある神姫装備をいじるのは、大して難しくはなかった。この手のメカを触るのは好きだったし、それがあったからこそ俺はこの学校に来たわけで。 「なるほどねぇ」 「でも、武装の調整用の神姫も持っていなかったんですか?」 取り分けた引っ越しそばを箸で……しかも昨日の夜と同じ塗り箸だ……食べていたベルの言葉に、俺は苦笑するしかない。 「中坊にそんな金ないよ。相手も同じ中坊だし、工具も兄貴のお下がりだぜ?」 材料だって、スクラップや使い古しの中古品ばかり。それを快く譲ってくれた模型屋の爺さんと、使い古しでも工具をくれた兄貴がいたからこそ、俺の武器工房(というほど立派なものじゃないが)は成り立ってたんだ。 「……なるほど」 って、俺が語ってるウチになに人ん家の段ボール漁ってんだよ! 「ふーん。へぇ、これとか、すごくない?」 ちょっと待て! 「おい! それっ!」 千喜の持っているそれを見て。俺は思わず声を荒げ、力任せにひったくってしまう。 「あ……ゃぁっ!」 その瞬間、千喜が慌てて手を引いて、悲鳴に似た小さな声を上げた。 「……っと。どっかひっかいたか? 悪い」 爪は切ってるつもりだけど、当たり所が悪かったか? 案外と女の子らしい悲鳴に、昇っていた血が一気に下がる。 「ううん、大丈夫。それより……大事なものだったんだね? ゴメン」 ……。 「い、いや、こっちこそスマン」 なんだ、なんか気味悪いくらいしおらしいな。 まあ、大丈夫ならいいか。 「特別な武装なんですの?」 俺の手の中にある黒鞘の刀を見て、プシュケが小さく呟いた。 鍔の辺りに大型のシリンダーギミックを組み込んだ、神姫の背よりも長い大太刀だ。素材そのままの金色のグリップ以外は、全てをつや消しの黒で仕上げてある。 「今度来る神姫用に作ったヤツだよ」 今日の晩か、明日の朝か。 俺が自分の技術の全てを注ぎ込んで作ったその一振りは、ベルのような仮初めの相方じゃない、本当の相方の為に作られたもの。 「見せてもらって……いいですか?」 大太刀使いとして気になるんだろう。遠慮がちにそう聞いてきたベルに、そっと渡してやる。 無言で受け取り、音もなく引き抜けば。漆黒の中に現われた銀色の鋼刃が、サイフォスの青い瞳を無言で映し出す。 半ばまで引き抜いて、ベルはほぅと艶のあるため息を一つ。 「……少し、惹き込まれました。銘は?」 静かに刃を鞘へと納め、黒一色に戻ったそれを俺に返してくれる。 「特に決めてないけど、強いて言えば……ベルカ式対装刀『フィールドシュナイダー』って所か。ウチのあたりじゃ重武装型が多かったから、対重武装神姫用の武器だな」 「何それ。厨臭い」 ぽつりと呟いた千喜のひと言に、苦笑い。 「中坊の作った武器なんだからいいだろ」 機械式のブースト機構も付いてるから、村正とか正宗ってガラでもないだろうし。そういうセンスが欠けてるのは分かってるさ。 ベルの白鞘みたいな凄い切れ味や、兄貴の『ラディカル・グッドスピード』みたいな特化した能力が無い事だって承知の上だ。けど、その辺りは全部相棒が来てから始めても遅くはないはず。 「白兵戦用ですのね。で、明日届く神姫のタイプは何ですの? 刀使いならサ……紅緒?」 プシュケ、刀使いの後にサイフォスって続けようとしたらしい。気持ちは分かるけど……一応、サイフォスは西洋剣使いで、日本刀使いじゃないからな。 「いや。遠近両方、色々試してみたいからさ。おじさんにはハウリンかヴァッフェバニーがいいって言ってあるんだけど……」 「随分古いタイプですのね。最近の万能型なら、プロキシマやアルトタイプでも良かったのでは? 後は飛行タイプのエウクランテや飛鳥とか……」 「まあ、そうなんだけどさ。俺がガキの頃からの憧れっていうと、やっぱりハウリンとかになっちゃうんだよな……」 神姫は決して安いもんじゃない。ガキの小遣いを貯めて買うどころか、クリスマスプレゼントでも買ってもらえるようなものじゃなかった。 ……少なくとも、ウチでは。 だから、俺が小さい頃から見慣れていた犬型や兎型の神姫っていうのは、基礎設計が少し古くても……やっぱり憧れに近い物があったりするわけで。 「まあ、確かに。ハウリンなら何でもアリだよねぇ……」 思うところでもあるのか、千喜はハウリンを随分と気にしてる。誰か強いプレイヤーでも知ってるんだろうか。 小さなテーブルに乗った丼は、全て空になっていた。 「さて、ごちそうさま」 「じゃあ帰れお前」 その言葉に、立ち上がった千喜は露骨にイヤそーな顔をする。 「何言ってるの。引っ越しそばぶんくらいは、手伝ってあげるわよ」 ものすごく勝ち誇った顔をしてるけど、正直迷惑だ。 「働くっつーか、もうやる事なんかねーよ」 「えー。これだけ段ボールあるのに?」 これだけって言っても、せいぜい四つか五つだろ。中は本とか工作材料の類だから、自分でやらないと分かんないんだよ。 「いいって」 自分の部屋なのに、どこに何があるか分からないとか、マジ勘弁してくれ。 「ちぇー。せっかく夕飯もたかろうと思ったのに」 ……。 それが目的ですか千喜さん。 「えへへー」 「えへへー、じゃねえ!」 俺が言えた義理でもないけど、人にばっかりたかってんじゃねえ! 『電子工作の入門書』に、『プログラミングの基礎』。『自作パソコン』に『ゼロからのクラッキング』。 「それにしても、面白い物が一つもありませんわね」 『萌えながら分かる神姫改造』とかいうあからさまに怪しげな本をめくってみても、解説が可愛らしいイラストになっているだけで、内容自体はむしろ分かりやすいほど。 案外、まともな入門書になってますのね、これ。 「プシュケ、何を期待してるんですか」 「いえ、殿方の部屋ですし、いやらしい本とか無いのかな……と」 工作の手引き書系は本棚にまとめて入れておけばいいそうで、とりあえず私とベルに任されていた。 マジメな本に混じって、その手の本もあるかと期待しましたのに。 「プシュケ、だんだん千喜に似てきましたね」 向こうで峡次さんと工作材料の仕分けをしているマスターを見遣り、ベルは小さくため息を吐く。 「なっ! そ、そんなことありませんわっ!」 こ、この高貴な私が……何であんなおバカに似なければなりませんのっ! 「それより、いいんですか? あれ」 「何ですの?」 そう言われ、ベルの指差した方を見てみれば。 「ねーねー。これ、どこに片付ければいいの?」 「あー。それはだな……」 部品を手にしたマスターの問いに、峡次さんは沈黙。 どうやら、片付け場所を考えているらしい。 小さな段ボールに入った物を二人でより分けているようで、峡次さんの肩にマスターの肩が当たっているのが見えた。 「……じゃ、適当に入れとくよ?」 沈黙を守る峡次さんに飽きたのか、マスターはすいと離れ。 三段になっている収納ボックスの二段目に、それを適当に放り込む。 「あー……お、おう。そこでいいや」 マスターが離れる直前に収納場所を決めたんだろう。峡次さんはマスターを止めかけるけど、マスターの『適当』で問題なかったらしく、それきり言葉を濁してしまう。 「どう見ても……」 部品を片付け終わったマスターは、再び峡次さんと肩が当たる距離へと。 「…………」 まあ、ベルの言いたい事も、分からないでもない。 割とあからさまだし。 「……ま、いいんじゃありませんの?」 『萌えながら分かる神姫改造』をぱたんと閉じて、私はそれを本棚に放り込んだ。 「マスターがあんなに懐くって事は、悪い人じゃないって事ですもの」 峡次さんが、マスターにとっての鳥小さんや倉太さんのようになれるなら……それはそれで素敵な事だと、私は思う。 「そう」 ベルもそう言ったきり、工作本の分類に専念し始めるのだった。 「じゃ、また明日ねぇ」 肩にプシュケとベルを乗せた千喜が、ひらひらと手を振って。 「おーう。今日はありがとなー」 俺の言葉が合図となって、ばたんとドアは閉じられた。 「ふぅ……」 ため息を一つついて、俺はふらつく足でベッドへと。 「何だ、アイツ……」 そう呟いて、ごろりと横になる。 一人より二人、二人より四人……ってわけで、八畳一間の俺の部屋はあっという間に片付けられていた。 それはいい。 それはいいんだが……。 「アイツ、女って自覚ねえんじゃねえか……?」 さっきまでいた女の子の姿を思い出す。 小さな体。 触れ合った肩。 大きな、良く動く瞳。 リップの曳かれた、薄い唇。 そして……屈んだシャツの胸元から覗く、白いブラのストラップ。 「だああっ! 何考えてんだ、俺っ!」 善意で手伝ってくれた相手をエロい目で見るとか、マジで最低だぞ俺! 浮かんできたそれを慌てて打ち消して、俺は目先を変えようと携帯を取り上げた。 まだ五時を少し過ぎた辺りだ。夕飯にはちょっと早いけど、自転車でも出して辺りをブラブラしてくるのもいいかな……と思わせる、そんな時間。 「千喜や鳥小さんにも世話になったし、差し入れでも買いに行ってくるか……」 ベッドの上でそんな事を考えていると、記憶の底から浮かんでくる事がもう一つ。 メールの履歴を呼び出して、直近の一つを展開させる。 「そういえば、配達番号送ってもらってたっけ」 おじさんが手配してくれた、俺の神姫の配達番号だ。 机のデスクトップを立ち上げるのも面倒だったので、携帯からそのまま宅配業者のページへ接続する。メールから配達番号をコピーしておいて、表示完了と同時にペースト。 「配達状況は……配達中!?」 って、マジか! しかもこれ、時間指定が十七時以降になってるじゃねえか! すまん千喜。ごめんなさい鳥小さん。差し入れは、また明日っていうことで! 心の中で手を合わせた、その時だった。 「ごめんくださーい。宅配便でーす」 運命の声が、扉を叩いたのは。 戻る/トップ/続く
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/22.html
凪さん家の十兵衛さん 閑話休題その一 <眼帯の休日> 十兵衛の場合 「はぁ~…ふぃ~」 なごみますねぇ~。ずず…。 晴れた日はお茶とお饅頭で日向ぼっこです。 いつもごたごたに巻き込まれているので、今日くらいはのんびりです。 あ、冷凍食品が今日も安いみたいですね。あとでマスターに教えてあげよう。 さて、そのマスターですが。 寝ています。今日は学校もないので本当にのんびりです。 バイトもありません。 やることが無いというのもなかなか良い物ものですね。 「はわ~明日も晴れますように~」 銃兵衛の場合 「ふぅ…久しぶりね…」 私は大体戦場、もしくはそれに準ずる場所でじゃないと姿を現すことは無い。 だが、今日は何故か何も無いのに十兵衛ちゃんと変わってしまった。 「…暇ねぇ…」 紅茶を口に運ぶ。十兵衛ちゃんの嗜好は和風だが、私は洋風。なのでお茶は紅茶。饅頭はケーキに変わっている。 「ふふ、おいしい…」 私はチーズケーキが好みだ。特にベイクドチーズケーキだと最高。マスターが気を利かせて買ってきてくれたのだ。よく分かっている。 本当、久しぶりに何も無い日。 「平和ってのも良いわねぇ…」 真・十兵衛の場合 「…」 な、なんなのだ…。主…我はどうしたら…。 う、うむ…休日? 「…では」 こんな時は座禅に限る。眼を瞑り、風の音を聞く。 「…」 たまにはこんな日もよかろう。 <凪の暴走>#18禁要素有り 今日は十兵衛のシステムメンテナンスの日だ。 俺の家には朝から創が来ている。 「じゃあ、さっそく始めさせてもらうよ」 「おう、すまないな。いつも」 「いいってことさ」 俺は創の集中力を削がない様に部屋を出た。 「ふむ…暇だな…」 ぽつんと部屋に一人…ボーっとしていても仕方がない…。 パソコンでもつけるか。 俺は某掲示板サイトを開き暇つぶしをすることにした。 そしてしばらく見ているとだ。 武装神姫スレに衝撃の書き込みがあった。 おまいら分かってないぜ メカである神姫にとっては白濁液を塗りたくられるよりも ネジを外して中を覗かれる事の方が恥ずかしいんだよ!!! ………な、 な ん だ っ て ! ? つまりは…つまりは…今あの部屋で十兵衛と創は…… 「じゃあ始めようか」 戸を閉める創。 「は、はい…お、お願いします…」 小さく震えながら言う十兵衛。 「じゃあまずは服を脱いでもらおうかな」 「は、はい…」 帯を解き、ボタンを外し少しずつ隠れていた部分が露出する。 「うん、準備万端だね」 「あ、あの…やさしくしてくださいね…」 その問いに笑顔で答える創 「もちろんだよ十兵衛ちゃん…じゃあいくよ」 創の指がそっと十兵衛の肌に触れる。 「ふぁ…」 下腹部を触れられて思わず声を出す十兵衛。 「ふふ、かわいいね…まずはっと…」 創な指が十兵衛の全身を隈なく蹂躙する。背中も胸も彼のされるがままだ。 「ひぁ…ふひゃ…」 「感じやすいのかな?ふふ」 「んひゃあ…!」 創の指が恥部に達する。電撃が体を走る。 「そろそろかな…」 そう言って、創は黒光りするそれを取り出した。 「ひっ…あの…」 十兵衛の表情が一瞬強ばる。 「どうしたんだい?」 創はそれを持ちながら言った。 「そ、そんなに大きいのを…入れるんですか…?」 「そうだよ?丁度良いサイズだと思うけど?」 さらっと言う創に対し、顔を赤らめる十兵衛。 「さてと…」 「ひゃあ!」 創は少し乱暴に後ろを向かせる。そこには一糸纏わぬ綺麗な部分がある。 「ほら、入れて欲しくてたまらないみたいだね」 「そ、そんなことっ…」 「だって艶々だよ?」 「い、言わないで…ください…」 十兵衛はさらに顔を赤らめる。 「いくよ…」 創はそれを十兵衛へと向ける。 「え、まだ…ひあぁ…!!」 ずずず…と十兵衛の中に進入してくる物体。いきなりの衝撃に体が固まる。 「うぅ…あひ…」 「ほら、どんどん入っていくよ?」 「い、いやぁ…」 「体は正直さ」 創はそれをさらに奥に突き刺した。 「はぁぁぁぁ!!」 ビクンと体をそらす十兵衛。 それは限界まで十兵衛の奥にもぐりこんだ。 「奥まで届いたみたいだね?しっかりはまっているよ?」 「あ、あぁ…やぁ……」 その快感に意識が遠のく。 「おやおや、もうぐったりかい?でもまだまだこれからだよ…」 「ん!んんんんぁぁぁ!!!」 置くまで達していたはずのそれがさらに奥まで進みぎっちりとはまる。 「ほらぴったり」 「はぁ…はぁ…はぁぁん!!」 十兵衛の大切なところに凶悪に突き刺さったそれはやがて動き出し強い力が加わる。 「はひゃ…んあぁぁ!」 創はそれを軽快なリズムで動かす。くいっ…くいっ…くいっ…くい…。 そのリズムに合わせて声が漏れる十兵衛。 「ふひゃ、ふぁ、やぁ、ひぃん!」 「ふふふ…じゃあ…パワーアップっと」 「んひぁぁぁぁぁ!!そ、そんなに強くしちゃだめぇぇ!!」 動きに力が加わり強くなる快楽。 「はぁぁ!!んひぃぃぃぃん!!」 「ほらほら、もう少しだ…」 「ん!あぁぁぁ!も、もう!は!はずれちゃいますぅぅぅ!!」 「よし、もうそろそろ…」 「だ、だめぇ!もうまわさないでぇぇぇ!!」 「いくよっ!!」 「ひあぁぁぁぁぁぁぁぁん!!」 体があまりの刺激に痙攣をおこし、思うように動かない。 「ほら外れたよ…」 そこには普段は守られた部分が露出していた。 「い、いやぁ…見ないでぇぇ」 あまりの恥ずかしさに顔を手で覆う十兵衛 「さて、次は~ここかな?」 「ひぃ!そ、そんな!まだはやぃあぁぁぁ!!」 創は容赦なくそれを次の箇所に突き刺した。 ……… た い へ ん だ ! ! へ ん た い だ ! ! 「じゃあここも交換しようか」 「はい、お願いします!」 「だいぶ消耗しなくなってるね、左眼を使いこなしてきた証拠かな?」 「えへ~そんな照れちゃいますよ~」 その時! どごぉぉぉぉぉぉあん!!! ドアが強烈な音を立てて開いた。 「はじめぇぇぇぇぇぇ!!きっさまぁぁぁぁ!!」 「うおぉぉぉぉ!!!!????」 「ま、マスター!!!???」 凪のあまりの形相に驚く二人 「……」 その驚く声にはっと我に返る凪 「…あ、いや…どうかしていたみたい…だ…すまん、寝る…」 と凪はとぼとぼと自分の部屋に戻っていった。 「???」 「???」 そんな凪の背中を見つつ、顔を見合す二人であった。 終 了 !! <妄想> な、なんだこの画像は!! そこには衝撃の画像があった。 犬子が座っている。その目の前には灰色の円柱。そして円柱には金色の水がモールドされている。 俺はは思わず自分の犬子を呼び出した。 「おおい!」 「?はい?なんですご主人様?」 俺は手のひらに犬子を乗せる。 「いわれた通りにするんだ!」 「は、はいぃ!」 俺は手のひらに犬子を乗せたまま指示をした。 「四つんばいになって片足上げるんだ!」 「え?えぇぇぇぇ!?」 「いいから!たのむから!」 「うぅ…一体どうしたんですかぁ?」 俺の手のひらで恥ずかしながらポーズを取る犬子。 そしてその手をおれはそのままパソコンの画面の前に持っていき、 画面内の黄金色の水のちょろっと出た箇所に犬子の股を重ねた。 「おおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」 おれは感激してしまった。感激しすぎて俺のマイサンが過剰反応した。 「???いったい何を…??」 恐る恐る後ろの画面を見る犬子。 「…!!」 犬子はにやけ面のマスターと画面を交互に見る。 は、恥ずかしい!! 「ごしゅじんさまぁぁぁぁx!!!!!」 「うお!?」 犬子は骨型ランチャーを構え怒りの一撃をお見舞いした。 「ご、ごめんな…さいorz] ちゃんちゃん! <番宣CM> 「大変ですマスター!」 「どうした十兵衛!!」 「新番組のお知らせです! 魔女っ子神姫ドキドキハウリン!毎週水曜午後六時からテレビ東京で放送開始です!」 「なんだって!?これは絶対チェックしないと!!って俺達は!?」 「私達はどっちかと言えば深夜帯かと…」 「う…」 「ま、魔女っ子神姫ドキドキハウリン!水曜六時! ここに、はいぱー☆降臨っ!」 「ま、魔法使って無いです…(ゴスッ!)うが!」 「言うなって…」 番宣CM風(十兵衛編)でした。 第九話も読む
https://w.atwiki.jp/shinkiss_matome/pages/1443.html
注:18禁描写ありのお話です。嫌いな方はご注意下さい。 「えー。では、工業概論テキスト23ページを……誰に読んでもらおうか」 静かな教室に響くのは、ホワイトボードを走るマーカーの音と、老教師のしわがれた声だけだ。 品質の向上こそあるものの、ホワイトボードにマーカーという定番の組み合わせは20xx年においてもいまだ健在。ひと昔前の近未来アニメで流行った黒板サイズの液晶ディスプレイも、無いわけではないが……この最大派閥の牙城を崩すまでには至っていない。 「そうだな……。武井」 「……はい」 呼ばれた少年は立ち上がると、教科書を声に出して読み始めた。彼の読む教科書もノートPCやペーパーディスプレイなどではなく、昔ながらの製本された紙タイプのもの。 『え? 千歳ちゃん、GS1.13って買ってもらったの!?』 武井少年の声だけが響く教室に、少女の大声が木霊した。 「……である」 けれど、教科書を読む少年も、ホワイトボードの前に立つ老教師も、少女の声を咎める事はない。 「う、うん………」 代わりに答えたのは、腰まである黒髪の少女。机の上にちょこんと腰を下ろし、周りに聞こえるか聞こえないかの小さな声で頷いてみせる。 「こら、伊藤。授業中は静かに」 だが、その小さな声に老教師は耳ざとく反応し、黒髪の少女・千歳が座っていた机の主に叱責を放つ。 「すみません。……千歳」 「……ごめんなさい」 千歳も申し訳なさそうに小さな頭を下げ、老教師はふんと鼻を鳴らす。 「では、次は伊藤」 教師の声に、今度は千歳が座っている席に着いていた少女が立ち上がった。 腰まである長い髪は、千歳と同じ深い黒。いや、正確に言えば、箸型神姫である千歳が、マスターである伊藤と同じ髪の色だからと選ばれたのだが。 「ひゃ……っ」 がたりと揺れた机に少し慌てる千歳だが、優しく伸ばされた手に救われ、ホッと一息。 「どうした伊藤。神姫と遊んでないで、早く読め」 「すみません」 優しい澄んだ声がして、伊藤と呼ばれた少女は武井少年の後を継いで教科書を読み始める。 『あのジジイ、うるさいんだから。千歳ちゃん、気にすることないよ』 少女の朗読に重ねるように千歳に掛けられたのは、別の机の上に座っている少女からの声。 『……う、うん』 千歳も小さく答えてみせる。 先ほど詰められたときと同程度の声だったが……今度は老教師はそれを咎めることもなく、ホワイトボードに図形らしき物を描き始めている。 もちろん、誰かの呟いたジジイという悪口にも反応する気配もない。 『……あれ? さっきの話だけどさ。千歳ちゃん、バトルしないよね? 新しい足パーツって、調子でも悪かったの?』 『え? あ、うん。そうじゃなくて……』 机の上に座っているのは、千歳だけではない。ほぼ八割程度の机の上に、身長十五センチの小さな姿が思い思いの姿勢で腰を下ろしている。 ただ、その中で正座の姿勢を取っているのは、和服姿の千歳ただ一人。 普通の神姫は膝関節の構造上、基本装備の足で正座をすることが出来ない。それを改善したのが、千歳の使っている新型脚部なのだが……一般的な神姫で、正座が出来ずに困るという話は聞かないのもまた事実。 『そっか。ほら、千歳ちゃんのマスター、茶道部に入ったって言ってたじゃん。だからじゃない?』 伊藤の声をBGMに、神姫たちも会話を再開する。 『あ。じゃあ、千歳ちゃんも部活に出るんだ?』 『そうなの。マスターの隣で、お茶……飲ませてもらってるんだ』 伊藤が席に着き、今度は別の生徒が立ち上がった。 『あれいいわよねぇ。ハイキックのモーションも綺麗に決まるってネットにも書いてあったし』 『そうなの? ボクも欲しいんだけど……どこのページのレビュー? 神姫ネットじゃないよね?』 『ええ。後でURL、メールしましょうか?』 『お願い。でも、マスター買ってくれるかなぁ……?』 神姫たちの会話はさらに加速し、勢いを失う様子はない。さして広くはない教室には彼女達の声が元気良く飛び交っているが、武井や伊藤どころか、老教師さえも彼女達のおしゃべりに苦言を呈す気配がない。 『うーん。それ以外の基本性能、デフォルトとそんなに変わらないって言うしね』 『値段も結構するしね……』 だが。 『ちょっと! そこ、うるさいですわよっ!』 その会話に、鋭い声が割り込んだ。 『モーフちゃん、うるさーい』 モーフと呼ばれた鋭い声の主は、教室の一番前の席に陣取っている紗羅檀だ。実際に彼女の声は、他の神姫達の数倍は大きな声だったのだが……。 教室の一番前で絶叫してもなお、人間達は誰ひとり反応していない。 『そうだよ。聞きたくないなら、チャンネル切り替えとけばいいじゃない』 そう。 今の神姫の会話は、人間には聞こえない高周波を用いたもの。だから人間達は、彼女達が会話していることにさえ気付いていないのだ。 千歳が最初のひと言で問い詰められたのは、高周波会話ではなく、通常音声で声を出したからにしか過ぎない。 『……何話してるか、気になるじゃありませんの』 『はいはいツンデレツンデレ』 『デレてませんわ! 用法を間違えない!』 『で、授業聞かなくて良いの?』 『あ……っ』 そう叫んだときにはもう遅い。ホワイトボードの上を容赦なくイレイサーが走り抜け、そこに書かれていただろう貴重な講義内容は跡形もなく消し去られたあと。 『でも、いいよねぇ。1.13。やっぱりお願いしてみようかなぁ?』 呆然とするモーフの事など無かったかのように、神姫達は会話を再開する。 『してみたら? ダメで元々でしょ』 『そうなんだけどさ。キロ180円のパスタ、あんまり売ってないのよねぇ……。マスター達にもあんまり無理させられないし』 彼女達のマスターのうち数人は、学校の近くに下宿やアパートを借りて自活していた。当然、小さな扶養家族に掛けられる予算は、その生活費の中から捻出される事になるわけで……。 『マックスで175円だっけ……?』 『あそこのセールって月イチじゃない。だったら180円でもマルイチのポイント五倍の方がお得でしょ』 『あー。マルイチの五倍、月に三回あるもんねぇ』 特売情報の提供は、そんな小さな彼女達がマスターのために出来る、数少ない手伝いの一つだった。姦しくはあるが、内容自体はおのずと真剣なものになる。 『あの……』 新たな方向に盛り上がる会話の中、小さな声が割り込みを掛けた。 『どしたの? ノリちゃん』 呟いたのは、バイザーを目深に下ろしたフォートブラッグの娘。武装メインの神姫が多い工業科の中で、いつも服を着ている希少組だ。 それが和装の千歳のようにお淑やかな女性マスターの神姫ならまだしも……ノリコのマスターは男子で、しかも基本のノリは体育会系。浮いてはいないが、目立つのはある意味当然といえた。 『パスタって、キロ130円で買えません?』 だが、希少組のそのひと言に。 『えっ!?』 『え?』 『え?』 『……?』 高周波領域を含めて教室の中が、本当に沈黙した。 『……へ?』 『ちょっとそれ、どこですのっ!』 マイナスから始める初めての武装神姫 その10 「ねえ、千喜……」 光届かぬ闇の中、私は主へ小声で問うた。 「……何? 聞こえてるから、あんまり大きな声、出さないでよ」 「やっぱり、やめ…………」 言いかけて、私はそれ以上言うのをやめた。 じんわりと湿った肉の壁に、そっと頬を寄せてみる。 『やっぱり……』 言葉の代わりに使うのは、神姫同士の会話に使う高周波音声ではなく、思考。音声ですらなく、ただ心……神姫に心が有るとすれば、だけれど……に浮かべるだけだ。 触れた相手の思考を読み取る千喜なら、これだけで言葉は通じると分かっていたから。 「……ここ、テストに………よく、覚えて………」 肉の壁と、柔らかなコットンに挟まれて。 闇の向こうから微かに聞こえてくるのは、千喜ではない人間の声だ。けれどそれは、ショーツとスカートに遮られ、日常モードの神姫の聴覚センサーでは途切れ途切れにしか捉えることが出来ない。 もっとも私にとって、その人間の発言はどうでもいいものだったけど。 「ふふっ。プシュケの想い、伝わってくるよ……。すごく、落ち着く……」 千喜の声も、囁きだ。外には出さず、口の中で音を転がすだけ。 でも、千喜の素肌に触れたまま震動センサーのレンジを広げれば、体の震えがしっかりとその言葉を伝えてくれる。 それは私にとって、教室の最前面でホワイトボードにマーカーを走らせている人間の言葉の、何倍も……何十倍も価値のあるもので。 『なら、何よりですわ。千喜……』 主の役に立てていることを誇らしく思いながら、私は肉の壁に頬を埋めてみた。 『ン……千喜の、匂い……すごい……』 そこにたゆたっていたのは、体育が終わった後だからだろうか……濃い汗の匂いと、その隙間に漂うかすかなアンモニア臭。 そして……。 「ん……っ」 埋めた頬を濡らす、わずかに染み出した粘っこい液体。 指先で触れてみれば、絡み付いたそれは闇の中、ねっとりと糸を曳いて……。 『ふふ……っ。甘ぁい……』 ぺろりと舌で舐め取れば、口の中に広がるのは甘い甘い千喜のあじ。 嗅覚と味覚を司る統合センサーからの刺激が、私の背筋にぞくぞくとした不思議な感覚を走らせる。 「ちょ……っ。プシュケ、何……やって……んっ」 千喜から伝わってきていたがりがりという断続的な震動が、停止した。どうやらノートに筆記していた動作を止めたらしい。 『何って……千喜が落ち着く事ですわ……』 「そりゃ、プシュケの想いが伝わってくると落ち着けるけど……」 彼女にとって他人の思考を読むことの感覚は、BGMを得ることに近い……らしい。BGMがかかる事が当たり前になってしまうと、それ無しでは落ち着かなくなるのだそうだ。 けれど、彼女の力を知らないクラスメイトにこの力を使うことは流石にはばかられる。だからこそ、彼女の秘密を知り、常に彼女の側に居られるこの私の出番というわけなのだけれど。 『なら、問題ないでしょう?』 粘つく液が分泌され始めた秘裂に、そっと五本の指を滑らせた。ぬちゅりという音がして、私の手のひらには愛液が絡みつき、ショーツの中には先ほどよりもはるかに濃密な性の匂いが立ち籠める。 『あ……千喜の匂い、ドキドキする……』 「ん、んぅ……ば、かぁ……やり、すぎ……」 蚊の鳴くような小さな声。 ヒクヒクと蠢く千喜の女の部分から、震動となって伝わってきたそれを、私はあえて聞き流した。 「次……問題…………網延…前………」 その時だ。 「あ……は、い……」 がたん、と千喜の体が大きく揺れて、私の体に掛かるのは急激な上昇感。 「……ひゃぁっ」 私の小さな体は愛液でたっぷりと濡れていた肉壁から滑り落ち、その下にあるコットンのショーツに受け止められる。 左右を見てみれば、私の落下の衝撃で淡いピンクのショーツは太ももの半ば辺りまでずり下がり、ハンモックのようになっていた。その簡易ハンモックの中央、クロッチの部分に身を置くのは、もちろん私。 「せめて……戻る……大人し……なさ……よ……」 コットンを経て伝わる振動音は、儚くか細い。その上、千喜の肉体に触れていないから、こちらの想いも届いていないようだった。 『千喜のあそこ……すごく、綺麗……』 見上げれば、そこにあるのは先程まで私が頬を埋めていた処。スカートの布越しに差し込む淡い外光が、上から垂れ落ちてくる愛液の滴りをきらきらと輝かせているのが見えた。 『あ……千喜の、匂い……また、落ちて来たぁ……』 ゆっくりと歩く震動で、とろりと濡れたままの千喜のそこは、ぽたぽたと滴りを生み出していく。落ちて止まらぬ愛液の雫は私の全身に滴り落ち、私を千喜の匂いで汚し、包み込んでいく。 「これで……いい、で…か?」 「よし、戻って……しい」 ショーツという遮音材が無くなり、音の通りが良くなったのだろうか。外からの音は先ほどよりもだいぶ届くようになっていた。 けれど、そんな事はどうでも良い。 『千喜……千喜ぃ……』 今の私に大切なのは、千喜の匂いに包まれている悦びと、その悦びを主に伝えること。 『気持ちいいの……気持ちいい、にぃ……』 統合センサーから伝わる匂いの快楽に支配されて、私の四肢はショーツの穴にだらりと垂れ下がったまま。千喜の秘裂とハンモックの間は離れすぎていて、首をわずかに動かしたくらいじゃ、届きもしない。 やがて、愛液を滴らせる震動が治まり、スカートの向こうの光がかげりだす。濡れたショーツが固い木の板にべしゃりと触れて……。 『千喜……千喜ぃぃ……っ!』 降りてきた千喜の秘裂に、必死に伸ばした愛液まみれの私の足が、ようやく触れ合うのだった。 チャイムが鳴れば、放課後だ。 生活費だけで手一杯の貧乏学生に、部活なんかやってる暇はない。 「さて。今日もバイト探し……かねぇ」 高等部用の駐輪場。二つに分けた鍵束の片方をノリに渡しつつ、そう声に出してみる。 「コンビニの求人ペーパー、更新日じゃありませんでした?」 ノリに渡したのは後輪用に掛けた固定錠の二つ。前輪のロックはチェーンとワイヤーだから、神姫に作業させるのは少々荷が重い。 俺の最大の相棒にして、最強の移動手段。ついでに言えば、俺の持ち物の中で二番目くらいに値の張る装備でもある。自転車泥棒は増える一方な20xx年の日本、念には念を入れての四重ロックくらいは当たり前だ。 「じゃ、とりあえずコンビニかな……」 乱雑な駐輪場からロックを外された自転車を引っ張り出し、ノリを胸ポケットへ。 ペダルに足をかけた瞬間、校舎から誰かが駆けてきた。 「お、千…………」 喜、と続けるより早く。 「ばかーーーーーーーーーーーーー!」 小さな体がジャンプして、揃えられた両足がまっすぐこちらに飛んでくる。 パンツの色は……。 「ちょっ!」 刹那に直撃。パンツの色とインパクトの瞬間の痛みの記憶が、衝撃に巻き込まれて吹き飛ばされる。 くるくると回る視界の中、ノリがジャンプで避けているのと、自転車が巻き込まれていない事だけを確かめて。 続くのは、がしゃぁんという派手な音。 「あんたの言うとおりにしたらヒドイ目にあったわよばか!」 「バカはそっちだ! ノリとチャリに何てコトしやがる!」 俺へのドロップキックはもう慣れたけど、ノリと自転車が側にいるときにするのだけは勘弁して欲しい。どっちも壊れ物なんだぞ。 「自転車なんてどうだっていいのよ! 教室でイッて保健室に行くハメになったじゃない! どうしてくれるのよばか!」 …………。 …………。 ………は? 「いや、話が見えんのだが……」 何で俺のせいで、千喜が教室でイく……って、何やらかしたんだこのバカは。 「ああもう。なんであんたあたしの心が読めないのよばかぁ……」 イライラしているバカは放っておいて、キックの直撃を免れたノリを拾い上げ、自転車を立て直す。 「……無茶言うな。なあノリ」 「わ、私に振らないでくださいよぅっ!」 ノリは大丈夫だな。 自転車にも、目立ったダメージはないようだ。ペダルを空転させてみても、それらしい異音はない。やれやれ。 「えーと、ですわね」 見かねたプシュケが、千喜のセーラーの襟元から顔を出す。 「あんた、今朝学校に行くとき、言ったわよね!」 「……何を」 そういえば今朝は一緒に学校に来たんだっけ。 俺は自転車で千喜は歩きだから、普段はそんな事はないんだけど……。部屋を出たところで顔を合わせれば、さっさと先に行くのも気が引けるわけで。 「ほら、峡次さん。授業中、千喜が『声』が聞こえないから落ち着かないって言ってたじゃありませんの」 ……思い出した。 「服の中に入れとけって言ったアレか」 千喜は触れた相手の考えを読むことが出来る。 いわゆる超能力とかいうヤツらしいんだけど、他人の心の声を聞くことに慣れすぎて、その声が聞こえていないと何となく落ち着かないらしい。 「そう!」 だから、プシュケを……不思議なことに、神姫の声は聞こえるんだそうだ……ポケットにでも入れておけば? って言ったんだった。 「……で、どこに入れてたんだ」 「ぱんつ」 「死んでしまえ」 匂いフェチのプシュケをそんな所に入れたら、発情するのは分かり切ってるだろうに。 もう付き合う気にもなれん。 俺は自転車をこぎ出そうとして……。 「待ちなさいよっ!」 「げふぅっ!」 異様に大きな力で車体を後ろに引っ張られ、そのまま前につんのめる。これも彼女の『力』の一つ。 だから自転車経由でツッコミ入れるのはやめろと! そう怒鳴りかけると同時、俺の腰に細い腕が回されてきた。 「だからさ。アンタ今日、責任取ってあたしを自転車の後ろに乗せて帰りなさいよ」 しがみつく腕が俺の腰をきゅ、と抱きしめて、小さな頭が背中に押し付けられる。 「……静香さんや鳥小さんだとドキドキするようなセリフなのに、お前だと全然ドキドキしないのは何でだ」 あんまり重量が掛かると、フレームが歪むんだが。 つーか、ロードで二人乗りとか自殺行為だからマジで勘弁してくれ。 「……その割にはあたしがくっついたらエッチなこと考えるクセに」 い、いや、それはだな……っ。 「峡次さん……」 「……ノ、ノリ……」 「知りません」 胸ポケットのノリもバイザーを下ろし、ぷいとそっぽを向いてしまう。 「……お前なぁ、千喜ぃ……」 はぁとため息をひとつ吐いて、仕方なしにペダルを踏み込んだ。 ……妙に軽い。 というか、明らかに二人乗りの重さじゃない。 千喜のヤツ、自分の体を『力』で持ち上げてるのか。ちょっとは可愛いところあるじゃないか。 「……褒めても何にも出ないわよ」 へえへえ。 「つーか、今日は倉太さん研究室じゃないのか?」 人が走る程度の速度で、ロードをゆっくりと走らせる。ロードにしてはだいぶ遅いけど、普通に歩いて帰るよりは十分に速い。 「さっきメールしたら、いま家に帰ってるんだって。だから早く帰りたいの!」 「……なるほどな」 ま、他人の彼女とはいえ……可愛い女の子にしがみつかれてる構図ってのは気分悪いもんじゃないから、いいっちゃあいい……けどな。 「だから、褒めても何も出ないってば」 へえへえ。 今日の峡次さんの自転車は、ずいぶんゆっくり走ってます。いつもはぱっと流れていく風景が、今日はちゃんと見ていられるくらいに。 スピードを落としてるのは、後ろに千喜さんがいるからでしょうけど……峡次さん、千喜さんと一緒に自転車に乗るのが嬉しいのかな? 「そういえば、静香さんから服もらったから、バトル出来るようになったんでしょ。やってるの?」 しばらく走っていると、背中の千喜さんがそんな事を聞いてきました。 「ん? ああ……」 峡次さんは浮かない声。 私も……正直、あんまり思い出したくありません。 「……ああ」 それで分かってくれたのか、峡次さんの考えを読んだのか。千喜さんも、言葉を濁して黙ったまま。 「何ですの」 千喜さんの胸ポケットにいるプシュケさんだけが、首を傾げてます。いや、私も峡次さんの胸ポケットにいるので、傾げてるんじゃないかと思っただけですけど。 「五戦全敗?」 ……千喜さん、読んだみたいです。 「……言うなよ。気にしてるんだから」 そう言う以上に、峡次さんは沈み声。 ゆっくりと流れていた景色が、もっとゆっくりになりました。これ以上遅くなると、バランス崩しちゃいますよ、峡次さん! 「でもノリコ、静香さんとこのココと花姫に勝ったんでしょ?」 あ……。 「……あ、あの、千喜さん……それは……」 スピードを落とした自転車が、ぐらりと揺れて。 慌ててペダルを踏み込んだ峡次さんのおかげで、何とかバランスを立て直します。 「……それ指揮したの、静香さんなんだよな」 あの五連敗から、峡次さんはすごく落ち込んでるみたいでした。 確かに、静香さんの魔法みたいな指揮とは違いますけど……私と一緒に考えてくれる峡次さんの指揮、私は大好きですよ? 「あー。なら、あんたのせいか」 「千喜さぁん……」 もう、また自転車がフラフラしてるぅ……。 「大丈夫よ。プシュケだって似たようなものだし」 「……そうなのか?」 踏み込んで、バランスを少しだけ回復。 「うん。今んところ……どうだっけ?」 「七勝十二敗一引き分け。見事に負け越しですわ」 プシュケさんは呆れたようだったけど、千喜さんは気にしてもいないみたい。スピードを少しだけ上げた自転車に、峡次さんに回していた腕を……きゅっと抱きしめ直す。 私も胸ポケットの中で、峡次さんの胸元にしがみついてみたけど……気が付いてませんよね。峡次さん。 「まあ、あんたみたいに……グラフィオスに近接で負けたり、パーティオに近接で負けたり、ストラーフに近接で負けたり、フブキに近接で負けたり、ウィトゥルースに近接で負けたり……って、ウィトゥルース?」 「ちょっ! そんな所まで読んだのかよっ!」 ちょっと峡次さんっ! ペダル踏み外すの、ホントに危ないですっ! 「だって、他の四体はともかく……思いっきり遠距離タイプじゃない」 本当なら、機動砲撃タイプのウィトゥルースは近接タイプより相性の良い相手のハズなんですけどね。 「……こっちが識別するより早く突っ込んできて、気が付いたら真っ二つにされてました」 それこそ、ガンランスを構える暇もなかったくらい。 少なくとも、他の四人はガンランスを構える暇はありました。撃つヒマはありませんでしたけど。 「……どんなウィトゥルースよ。魚雷じゃない」 「俺が聞きたいよ……」 そんなわけで、ガンランスは封印です。もうちょっと神姫バトルというか、相手の攻撃が読めるようになってから使おうって、二人で決めました。 ガンランスが使えなくなったのは残念ですけど、そうやって峡次さんとたくさんお話しできたのは……正直、ちょっぴり嬉しかったりします。 だから、私としては、五連敗はあんまり気にしてないんですけど。そんな事じゃ、武装神姫失格なんでしょうか? 「で、復帰戦は? ノリの服貯金、まだ残ってるんでしょ?」 「残ってません! 全部、峡次さんのご飯代にしてもらいました!」 「……はぁ?」 ……呆れられちゃいました。 「でも峡次さん、この半月、仕送りのお米がなくなってからは、パスタともやしばっかり食べてたんですよ。もっと栄養のあるもの食べないと、死んじゃいます!」 私は峡次さんと一緒にいられるだけで嬉しいんです。そりゃ、峡次さんは神姫バトルのために私を買ったわけですし、バトルで勝てればもっと嬉しいかもしれませんけど……その前に峡次さんが倒れちゃったら、バトルどころじゃありません。 「……バカでしょあんた」 私の言葉に、千喜さんはため息をひとつ。 「バカですわね」 千喜さんのポケットのプシュケさんもため息をひとつ。 「私もばかだと思います」 そして私もため息をひとつ。 「……ノリまで言うなよ。だから、復帰戦はバイトが決まって、ノリの新装備の目処が立ってからって決めたろ?」 はい。 「で、そのバイトは決まったの?」 「んー。考えてはいるんだけどな……。アキバにも何度か行ってみたんだけど」 峡次さんは神姫ショップ絡みのバイトを考えてたみたいですけど……。神姫センターからオモチャの量販店、神姫関連のパーツショップまで、その辺りの定員は一杯で、結局見つからなかったんです。 「真直堂は? 鳥小さんに紹介してもらえば……」 「バカ兄貴の店で働くとか、ないから」 そういえば、お兄さんの所には一回も行きませんでしたね。そんなにイヤじゃない……とか言ってた気もしますけど、ガンコです。 「でも、電車賃も安くないのによく行くわね。鳥小さんの定期でも借りたの?」 えーと、千喜さん。 それはその、ですね。 「いや、あのくらいコレがありゃ行けるだろ」 くるりと曲がったハンドルを軽く叩いて、峡次さん。 「……行かないわよ。何時間かかると思ってんの」 「一時間くらいだろ」 最近はコース覚えたからもっと短くなってる気がします。青信号に変わった途端、隣の自動車を普通に追い抜くいていくのとか、結構怖いんですけど。 「ウソ!? あんたの基準、ちょっとオカシイわよ」 やっぱり、おかしいんでしょうか。 私は峡次さんの自転車しか知らないから、判断するのがちょっと難しいんですが……。私のデータベースにプリセットしてある自転車の解説では、自転車の平均時速は十キロから二十キロだってあるんですよね。 峡次さんの自転車、普通にその倍は出てるから、不思議だなぁとは思ってたんですけど……やっぱり、千喜さん達の基準でもおかしいみたいです。 「うっせえ。そういうお前はバイトとかしてねえの?」 そういえば、千喜さんが峡次さんみたいにお金に困ってるところ、見たことないです。鳥小さんと倉太さんはバイトをしてるから分かるんですけど……。 「してるよ?」 千喜さんはさらりとそう答えました。 やっぱり千喜さんもアルバイトをしてたみたいです。 「何の? 儲かるなら紹介してくれよ」 「……内緒」 それっきり、千喜さんは無言。 峡次さんも、黙ったまま。 「……あんたの考えてるような事じゃないわよ」 ……何考えてたんですか、峡次さん。 「っていうか、何でこの話だけでエロ方面に考えが行くのよバカ!」 もぅ……。 峡次さんの、エッチ! 戻る/トップ/続く
https://w.atwiki.jp/2chbattlerondo/pages/30.html
FAQ ※まずは付属のマニュアルを読みましょう。 「スタートメニュー」から「プログラム」→「KONAMI」→「武装神姫」→「武装神姫バトルロンドマニュアル」 このページとマニュアルを読めば、ある程度の疑問は解決できると思います。 初心者さんは初心者向けガイドにも目を通してみましょう、 wikiの左メニューの一番上で「wiki内検索」をしてみるのも有効です。 それでもわからなければリンクより「武装神姫バトルロンド・質問スレ」へどうぞ。 まず始めにQ.このゲームって無料? Q.あれ?起動させようとしたら落ちるんだけど? Q.あれ?装備の形状が表示されるっているアイコンが歯車のままなんだけど? Q.あれ?スクリーンショット撮ったのに真っ黒に版権表示なんだけど? Q.ゲーム内データの保持期限は? Q.名前って他人と被ってもおk? Q.名前の変更はできるの? Q.1文字だけの名前って付けれないの? Q.課金しないと勝てないの? Q.今からやってもレベル差あるから勝てない? システム関連Q.最近バトルロンドのロードがもたつく/重い Q.バッテリー切れたんだけど、満タンになるまでどれくらいかかるの? Q.オススメの素体は?/オススメの育成方針は? Q.素体とか武装を増やしたいんだけど、どうすりゃいいの? Q.限定パーツって何の話? Q.大手裏剣ってどうやって入手するの? Q.アクセスコード入力したら、二刀流・二丁拳銃できない武器を2つ貰ったんだけど? Q.EXウェポンセット勢の素体が足りない。この生首祭どうしてくれよう Q.ショップで気になるアレを買いたいけど、これの性能って事前にわかる? Q.試用チケットってどうやって使うの? Q.グレードシルバーになっても購入できる品が増えません。どうしたら増えるのでしょうか? Q.普通と髪型の違う神姫を見かけるけどあれは何? Q.リストアできないんだけど? バトル関連Q.神姫が言う事を聞いてくれない Q.防御してくれない/回避してくれない Q.追撃スキルが出ないんだけど? Q.コアとか素体とかCSCが違うと何がどう変わるの? Q.自分より高レベルの相手としか当たらなくて萎える Q.うちの子ふっとび過ぎで、後攻に回ると打撃が全然当たらない Q.このゲームって対人戦? Q.友達と対戦できない Q.装備数制限/重量制限を緩和するにはどうすればいい? Q.マッチング後、作戦指示中に落ちたんですが相手に迷惑が掛かっていないでしょうか Q.トレーニングしたのに全然ミッションで勝てないよ Q.ジャーナルに「過度のトレーニングは~」って書いてあったけど? Q.ルビー+サファイアとガーネット×2はどちらの効果が高いですか? Q.武器を持たせても素手で殴りに行くのですが… Q.バトルシミュレータ、人がいるのにマッチングしない(緑ネームと当たる)事があるんだけど・・・ その他Q.オープニングの曲の詳細教えてOP1 OP2 Q.武装神姫マスターズブックってなぁに? コメント まず始めに Q.このゲームって無料? 忍者型フブキと、その武装を無料で使用できます。 バトルロンドに先駆けて開始された、ジオラマスタジオ用に登録したデータも一部を除きそのまま転用可能です。 Q.あれ?起動させようとしたら落ちるんだけど? Q.あれ?装備の形状が表示されるっているアイコンが歯車のままなんだけど? Q.あれ?スクリーンショット撮ったのに真っ黒に版権表示なんだけど? グラフィックボードの性能不足と思われます。買い換えるか諦めるかしましょう。 オプション設定でウィンドウサイズと描画クオリティを下げると解決する場合もあります。 グラフィックボードのドライバを最新バージョンにすると症状が改善するかもしれません。 パーソナルファイヤーウォール等でバトルロンドのゲームサーバへの接続を弾いている可能性もあります。お使いのファイヤーウォールのログを確認してみてください。 物理メモリにエラーがないかメモリチェッカーで確認しましょう。 Q.ゲーム内データの保持期限は? 規約によると、最終ログイン日から180日間とのこと。 その期間を過ぎると、登録しているオーナー名と神姫データなどのセーブデータが失効されます。 あくまで育成データが消えるだけで、購入したアイテムなどのデータが消えるわけではありません。 ……ただしアチーブメントなどで入手した装備品は不明です。 Q.名前って他人と被ってもおk? オーナー名は不可、神姫名なら可。ただし同じ名前の神姫は複数所持できません。 Q.名前の変更はできるの? オーナー名とセットアップ後の神姫名の変更はできません。 神姫の名前が気に入らない場合は、新しく別の神姫をセットアップするかリセットするしかありません。 Q.1文字だけの名前って付けれないの? 空白+1文字で可能です。前後どちらでも可。 Q.課金しないと勝てないの? 戦闘は戦術と武装の相性が一番重要なので、一概にそうとも言えません(建前)。 実際には、十分な経験のある熟練オーナーがあえて無課金忍者型フブキで制限プレイするのならともかく、 新規で始めた初心者さんでは、無課金のままで勝ち抜いて行くことは厳しいです。 C~Bクラスではまだ頑張れますが、Aクラス以降では相当な運に恵まれないと勝てないと思います。 ただし、高い勝率を残せるかどうかと、このゲームを楽しめるかどうかはイコールではありません。 Q.今からやってもレベル差あるから勝てない? こちらに関してはそんな心配はありません。 勉強熱心なプレイヤーであれば、知識については追いつく事が可能です。 システム関連 Q.最近バトルロンドのロードがもたつく/重い アップデート前は問題ない、という人向けの回答しか出来ませんが、 自分のPCのクリーンアップとデフラグを行って下さい。 Q.バッテリー切れたんだけど、満タンになるまでどれくらいかかるの? 1時間につき1目盛りずつ回復。計10目盛りなので、ゼロから満タンになるまでは10時間かかります。 課金アイテム「急速バッテリー充電器」を使えば即座に回復させる事も可能です。 (急速バッテリー充電器は初回ログイン時に10個もらえます) が、神姫を複数体セットアップすれば、1時間に対する合計の回復量も当然増えます。 武装の入手ページも参考にした上で、フルセットを購入した方が良いでしょう。 Q.オススメの素体は?/オススメの育成方針は? ぶっちゃけどの神姫にも勝ち目はあるから、自分で気に入った神姫を育てるのが一番オススメ。 素体の能力表はセットアップを参照してください。 育成方針よりも重要なのはオーナー自身がよく考えることです。 (例えば同じ育成方針の同程度のレベルの神姫同士の戦いの場合、勝敗を決める大きな要素はオーナーの采配です) 他人の強い神姫の武装やレベルをよく見て、真似してみるのも良いかもしれません。 Q.素体とか武装を増やしたいんだけど、どうすりゃいいの? 武装の入手のページを参照。 基本的には、フィギュア実物を買うか、「神姫ポイント」を介して神姫ショップでデータを購入するかの二択になります。 ちなみに「神姫ポイント」は最終利用日から1年間使わないと失効すると規約にあるので注意。 データ限定の素体や武装も多数あるので、チェックしてみましょう。 Q.限定パーツって何の話? 特定の期間にログイン、またはイベントに参加する事で入手できる、非売品パーツが存在します。 公式で随時告知されるので、定期的にチェックするようにしましょう。 またキャンペーンのページにも情報が記載されています。 大抵のものは期間終了後、CSC交換やふくびきで再配布されます。 Q.大手裏剣ってどうやって入手するの? 下記参照。 http //www.shinki-net.konami.jp/info/tgs2006rpt.html Q.アクセスコード入力したら、二刀流・二丁拳銃できない武器を2つ貰ったんだけど? 「大手裏剣“白詰草”」や「ホーンスナイパーライフル(サンタ型ツガルのメインウェポン 小銃)」などの、 二刀流・二丁拳銃できない武器の2つ目は、ジオラマスタジオで使用する為のものです。 バトルロンドでは2つ装備しても意味は無いので気をつけましょう。 Q.EXウェポンセット勢の素体が足りない。この生首祭どうしてくれよう フィギュアに素体が付属しないEXウェポンセットには、デジタルデータ限定ですが専用素体が存在します。(各500spt=500円) また、オンラインオリジナル素体として、エレガンスやバンテージといったコア無しの素体も発売されています。(各450spt) これらを購入すれば、他の神姫の素体を回す事無くEX勢を育成できます。 Q.ショップで気になるアレを買いたいけど、これの性能って事前にわかる? 神姫ショップの商品リストで、試着することで確認出来ます。 見たい武装を試着かごに入れて、試着かごを確認→試着するで試着室に進むことが出来ます。 フルセットは試着できませんが、武装セットは試着可能です。 また、試用チケットが残っていれば、装備を3日間(72時間)だけレンタルすることも可能です。 有効に活用しましょう。 Q.試用チケットってどうやって使うの? 各パーツの「詳細」ページを開き、「この商品を試用」を選択してください。 試用できる商品は、「メインウェポン」「サブウェポン」「リアパーツ」「アーマー」「アクセサリ」「その他」のカテゴリの商品のみとなります。 「フルセット」「武装パーツセット」「素体」「メンテナンス用品」が試用できないのは当然ですが、 「スペシャル」カテゴリでのみ販売されている「忍者刀”風花”」なども試用ができないので注意してください。 なお、試用チケットはバトルロンドのショップでのみ手続きが可能です。 また、試用装備はノーマル武装では装備できません。 Q.グレードシルバーになっても購入できる品が増えません。どうしたら増えるのでしょうか? 神姫ショップの商品リストを開き、最上部のカテゴリリストから「スペシャル」を選択してください。 なお、現在はバトルロンドのショップでのみ購入可能。ジオラマスタジオでは購入できないのでご注意ください。 Q.普通と髪型の違う神姫を見かけるけどあれは何? ショップ販売の「エクステ」または、一部神姫に武装の一部として付属するヘアパーツを装備しているからです。 なお悪魔型、サンタ型のツインテールはフルセット/武装セットにしか付属していません。 Q.リストアできないんだけど? その神姫はオフィシャル戦を100戦以上行っていますか? その神姫は成長限界に達していますか? その神姫はクレイドルで寝ていますか? バトル関連 Q.神姫が言う事を聞いてくれない セットアップ直後は言う事を聞かない事が多いです。親密度を上げて行く必要があります。 親密度を上げるには戦闘後に誉めてあげる事が大切です。 神姫技能試験CクラスI(いわゆるパシュミナ道場)で稽古をつけてもらいましょう。 命令の内容に関しては、神姫によって受け取り方が違います。 「高ダメージを狙え」というのは、「攻撃力の高い武器を使え」という意味ではない事に注意しましょう。 Q.防御してくれない/回避してくれない まずはAIを育成しましょう。こちらもやはり道場通いがオススメです。 戦闘前に「回避してスキを狙え」もしくは「ガードしつつ耐えろ」を選び、戦闘終了後に誉める。 その内、回避かガードを必ず狙うようになると思います。 ただし、元々防御向きでない神姫は、ガード以外の指示に変えた途端ガードしなくなる場合があります。 同様に、回避向きでない神姫も回避以外の指示に変えた途端回避しなくなる場合も存在します。 また、マニュアルにも記述されている通り、防御は「WAIT」状態、回避は「WAIT」か「MOVE」状態でなければ行いません。 「PRE-ATTACK(攻撃準備)」に行う場合もありますが、こちらは完全なランダムとなっています。 攻撃終了直後の「POST-ATTACK」中は反撃スキル以外は使用不可能となっています。 回避もガードも出来ないので注意して下さい。 詳しくは、攻撃の「準備時間」と「硬直」を確認して下さい。 構えてから攻撃するまでが「準備時間/PRE-ATTACK」で、 攻撃後の行動可能になるまでの時間が「硬直/POST-ATTACK」です。 基本的には、準備時間と硬直の少ない武器であれば回避も防御もし易くなります。 当然、例外もあるのでその辺は慣れてくれとしか言えませんが・・・ Q.追撃スキルが出ないんだけど? まず、スキルレベルとSPを確認して下さい。 また、追撃スキルを使った後の戦闘評価で誉めてあげないと使うようにはなりませんのであしからず。 それでも出ない場合は、距離が関係します。 「サンドスプラッシュフィーバー」の場合は、相手神姫との距離が0-150で、通常攻撃が当たった場合発動します。 しかし、武器によってはノックバックして相手が後退してしまう事があり、 ノックバックで距離が150を0.1でもオーバーしてしまうと発動しなくなります。 また、「ヘルストーム」などの中距離以上の追撃スキルの場合は当然、 相手の距離が100以下の状態で攻撃を当てても発動しません。 ただしこの場合、攻撃を「準備した(構えた)距離」が100以上で、相手が移動して距離100以下になったとします。 その後、準備していた攻撃が当たって相手がノックバックして再度、 距離が100以上になった場合は発動する事が出来ます。 Q.コアとか素体とかCSCが違うと何がどう変わるの? コアで行動の傾向や武器の得手不得手が決定されます。 素体で基本性能が決まり、CSCは素体の性能を変化させます。 一度セットアップすると変更するのは(リセットしない限り)不可能です。気をつけて決めましょう。 Q.自分より高レベルの相手としか当たらなくて萎える レベル差が20くらいのバトルでも勝利したという報告もあるので、頑張りましょう。 人の多い時間帯なら、高レベルとのバトルの確率が減ります。 (人の多い時間帯のことをピークタイムと呼びます。だいたい夜の8時から12時くらいまで) Q.うちの子ふっとび過ぎで、後攻に回ると打撃が全然当たらない 被ノックバック距離は対ダウン値を上げる事で軽減する事ができます。 逆に、武器のダウン値が高いほど与ノックバック距離は大きいです。 Q.このゲームって対人戦? オフィシャルバトル戦とバトルシミュレータ戦は対人戦です。 ミッションバトルの敵神姫はNPCです。 また、シミュレーションバトルで出る文字が緑色の相手は 武装神姫のサーバーにある他のプレイヤーのデータからランダムで選出された物です。 プレイヤーデータを借りたNPC、と考えて頂ければ結構です。 ちなみに、緑文字神姫の装備セットはランダムで決定されます。 Q.友達と対戦できない オフィシャルバトルとバトルシミュレーションのマッチングは、同クラスの中からランダムで決まります。 任意の相手との対戦がしたければ、神姫センターのティールームを利用するのが早いでしょう。 その他のオーナーに参加して欲しくない時はパスワードも利用しましょう。 ティールーム戦は特殊ルールのバトルやクラスの垣根を越えたバトルが出来ます。 ただしアチーブメントは取得できません。 詳しくはオンラインマニュアルのティールームの項目を参照。 Q.装備数制限/重量制限を緩和するにはどうすればいい? オフィシャルバトルに勝つとC→Bのようにクラスが上がり、それに伴って制限が解除されていきます。 詳しくはマニュアルの「!? 神姫のクラスアップ」を参照して下さい。 Q.マッチング後、作戦指示中に落ちたんですが相手に迷惑が掛かっていないでしょうか 対戦相手とマッチングした瞬間に戦闘を完了したことになっています。 その場合、武装1、デフォルトの戦術を選択したことになります。 選択後に落ちた場合はその選択通りに戦闘したことになっています。 Q.トレーニングしたのに全然ミッションで勝てないよ Q.ジャーナルに「過度のトレーニングは~」って書いてあったけど? トレーニング直後は100%の実力を発揮できないのです。 どんなに強い神姫でも、トレーニング直後は結構弱くなります。 オフィシャル戦を数回行う事で本来の能力を発揮出来るようになります。 詳しくはトレーニングの「実戦感覚」についての説明をご覧下さい。 Q.ルビー+サファイアとガーネット×2はどちらの効果が高いですか? 運次第です。 詳しくは武装神姫マスターズブックをご覧下さい。 Q.武器を持たせても素手で殴りに行くのですが… 残念ながら仕様です。「得意距離を回避するため移動」が出なくなるまでミッションに通ってください。 またはミッションまたはテーブルで特殊ルール(射撃武器禁止など)が設定されていないか確認してください。 Q.バトルシミュレータ、人がいるのにマッチングしない(緑ネームと当たる)事があるんだけど・・・ レベル差があるとマッチングしない仕様になっています。 Cは10、Bは20、Aは30、Sは40、EXは50の差があるとマッチングしません。 その他 Q.オープニングの曲の詳細教えて 小ネタのページも参照。 OP1 題名:「I WILL FOLLOW YOU」 歌手:阿澄佳奈(アーンヴァル役) 茅原実里(ストラーフ役) コナミスタイル限定で発売されている「武装神姫RADIO RONDO」に、フルバージョンが収録されています。 歌詞はマスターズブックに記載されているのでここには書けません。あしからず。 OP2 題名:「Into the shining World」 歌手:加藤英美里(エウクランテ役) 井上麻里奈(イーアネイラ役) Q.武装神姫マスターズブックってなぁに? 武装神姫マスターズブックというガイドブックがあります。 ゲーム上では確認できない(wikiにも転載していない)データ類がいくらか記載されており、限定アイテム「ナースセット」も付いてきます。 ただし、2007年8月17日に発売された物なのでデータが古いです。必要性を感じるのであれば買ってみても良いでしょう。 コメント ※ここは質問コーナーではありません まず自分で調べ、それでも分からなかったら本スレで質問をし、 それで得た情報をここに書き込んでくださいませ。 オーナーグレードによる限定販売品について答えてみました。(システム関連の項参照) -- (名無しさん) 2007-07-04 00 43 15 PFWとしてPeerGuardianを使っている場合、210.249.144.106~210.249.144.107を解放しておくと良いことが有るかもしれません。 -- (名無しさん) 2007-08-18 20 29 21 公式URLの変更に伴ってティールームの項目へのリンクが切れているので修正してくださいますか? 他のページでも同じようなリンク切れがあるかも…と思ったので、古いURLでwiki内を検索して新しいURLに置換してもらえたら嬉しいなーと黒子が申しております -- (名無しさん) 2007-12-13 15 58 42 今日、ゲーム内データの保持期限についてコナミさんに直接問い合わせました。180日間の放置で神姫の育成データは消滅するけど、オーナー情報やアチーブメント、CSC等は消えずに残るそうです。 -- (名無しさん) 2008-09-14 00 21 09 Q.自分より高レベルの相手~の部分に関して ClassCバトルにてLv42の課金装備なしのフブキさんでもLv98白子(攻撃・命中がLv25程度で武装は覚えていないがバトルロンド専用課金装備使いまくりだったのは確か)に勝てました 本来なら証拠データを提出すべきなんでしょうがレベル的に絶対勝てないだろうと思っていたところで勝ってしまったので動揺してリプレイ保存忘れました・・・すみません やる気さえあればフブキオンリーでも頑張れないことはないという証明のため一応。 でも実際問題どうしても課金(フィギュア購入含む)できない状況でなければある程度の武装確保のために何かしら買った方がいいと思います(フブキが弱いとかそういうのでなく他の神姫を手に入れることに夜武装の種類拡張や各神姫のアチーブメント達成時にもらえる武装等の関係でフィギュア持ってるor課金して複数育ててる人の方が有利になるため) -- (リエル) 2009-06-10 01 55 39 レベル差でも相手が絶賛トレボケ中だったりで、結構いい勝負になることがあるね 諦めなければ勝ちが拾えることもあるよ -- (名無しさん) 2009-06-10 03 10 57 そうですね それ以外だと武器構成を唐突に近接から射撃オンリーに変える等の大幅な変化が見られる場合はAIが混乱するのか挙動がおかしくなります(遠距離武器しか持っていないのに間合いを詰めてサンドバッグ状態になる等) どれもバランスよくないと勝てないって事ですかね -- (リエル) 2009-06-14 19 28 03 ティールームでは、魚拓のアチーブメントはとれます -- (名無しさん) 2009-10-26 22 15 49 起動で落ちるという部分ですが こちらの環境(メインとTV出力のマルチディスプレイ)では、 設定の解像度が両ディスプレイの解像度以下でないと動作しませんでした。 (クライアントを表示させているのがメインの方でも) 当初の設定↓ メイン:1280*1024 TV:800*600 武装神姫:1024*768 上記だとダメなのでTVの解像度を上げるか、設定を下げないと起動しません。 起動時に全てのディスプレイのチェックをしているのでしょうか? 最初は単にスペック不足かと思って諦めかけたのですが、上記で起動したので報告までに。 -- (名無しさん) 2009-12-16 13 57 25 回避か防御を覚えさせることはできたのですが スキルを出すタイミングを覚えさせるのも褒めるか叱るかなんですよね? そうすると回避か防御覚えさせてのがまたチャラになるか不安なのですがどうやって覚えさせればいいのでしょうか? -- (名無しさん) 2010-03-09 22 31 20 名前 コメント すべてのコメントを見る